某日、山形県は白鷹町にて最上川小判捜索3日目。5時起床。大吾さんと起きて朝飯。大吾さんに「昨日は何時までやってたんですか?」と聞いたら、結局12時くらいまで飲んでいたらしい。みんな浮かれてんな! 集合時間の6時になってもなかなか集まらない。皆、寝呆けた顔で降りて来たのが6時半だった。ぶっ弛んでやがるな! ここで全員を並ばせて鉄拳制裁を加えても良かったのだが、せっかく無給で集まったメンバーなので歯を食いしばって堪える。チェックアウトの準備をして、3日目の捜索に出発。天気予報では午後から雨。朝から山の方に厚い雲がかかっている。荒砥側の堤防に車を止めて、今日もチンポコをプラつけせながらお着替え。そして昨日の覇気が全くなくなった捜索隊を率いて藪に入る。川岸に出て驚いた。ありゃりゃ? 昨日より全然水位が上がってませんか? 昨日は水面に出ていて足場で使った防波ブロックが、20センチくらい川に沈んでいる。そして明らかに流れが強くなっている。後ろからきた大吾さんが「や、だいぶ水が上がってるわ」と呟いた。昨日、上流部で降った雨が流れ込んでいるのだろうか。これは移動に難儀する。しかも午後から雨だ。ダイビング経験が豊富な大吾さんが「川の水は一気に上がるから。ちょっとヤバいかも」と言う。確かに水も激しく濁っているし、ヤバそうな雰囲気がする。アタシは捜索したい気持ちと「ヤバいかも」って恐怖心が拮抗して判断をつけられない。大吾さんと浦山くんは「やめときましょう」と言う。さあ、どうするか。編集長の上田くんに判断を委ねるべく「上田くん、だいぶ水が上がってて流れも強い。濁ってるし捜索どうしようか?」と尋ねると、いきなり上田くんが川に飛び込み「何がっすか? 川に入っちゃえば同じっすよー」と川の中から叫んだ。コイツ、マジモンのバカだ。多分、想像力とか恐怖心のネジがぶっ壊れちゃってる。「あ、水は上がってますけど泳げば同じなんで」と言いながら泳いでいる。水中の視界も効かず、深さもわからないのに。怖いわ。こういうバカがまず死ぬんだろうな。しかし、編集長が大丈夫って言うなら迷う必要はない。なんか問題が起こったら、全部責任取らせちゃえばいいもんね。アタシも川に入って皆の移動を介助する。一同、川に浸かってしまえば捜索モードに切り替わった。昨日より下流を重点的に捜索する。ただし明らかに流れが強く、濁りが激しい。泥が落ち着くまで倍の時間がかかり、それでも視界が悪い。アタシはやってるうちに没頭してしまったが、大吾さんと行さんが安全監視に回ってくれていた。10時ごろ行さんから「上流で雨が降り始めました」という報告と、大吾さんから「20分前に見えていた石の頭が水没した。ここ2、30分で5センチ以上水位が上がってる」という報告を受けた。隊長として判断をする時期が来ているが、アタシも小判がありそうなくぼみを見付けてしまい「もうちょっとだけやらせてください!」と、粘る。11時になって雷鳴が聞こえて来た。大吾さんが「家族と来てるなら確実に引き上げる。川の水位はあっという間に上がるからね!」と、怒鳴られた。他のメンバーも水から上がって、捜索しているのは隊長のアタシと上田くんだけ。今見付けた大石が、高橋さんの言っていた小判があった大石かもしれない。「もうこれで最後にします!」と、大石を上田くんと二人でひっくり返す。何もなかった。残念! 捜索を始めてからさらに30センチくらい水位が上がっていて、上流では黒い凶悪な雨雲が立ち込めている。聞こえなかったフリをしていた雷鳴も、近付いて激しくなっている。こりゃあ、もう引き時だ。「総員、撤収せよ!」と、アタシが判断して叫んだ時には周りに上田くんしかおらず、皆は一足先に撤退していたのだった。 着替えて荷物を積み込み、神保さんが営む「白鷹温泉」で温泉に浸かる。気持ちいい温泉だった。神保さんにお土産を渡し、お礼を伝える。「また来るときは連絡してよ。水位なんかも教えるからさ」と言ってくれる。ありがてえなあ。車に乗り込むと土砂降りになる。これは危なかった! あと30分粘ってたら、川に流されてニュースになってたかもしれん。大吾さんと行さんの判断は正しかったな。昼飯に冬季捜索時も伺った蕎麦屋「くまや」でざるそばを食う。相変わらず美味い。夏休みで娘さんが手伝っていて、Tシャツから豊満なパイオツが見えそうになってドキドキした。「彼女が何歳か?」で、車の中で議論になる。アタシは大学生だと思ったが、浦山くんと行さんは「高校生か下手したら中学生かも」と言う。いやあ、女性ってわからんな。帰りにゲリラ豪雨。ワイパーをフル稼働させても雨で視界がきかない。驚いた。運転するごーいちに「危なかったな」と言うと「正直、もうヤバいって思ってたのにマツーラさんが出ないからミンナ呆れてましたよ」なんて言う。そうだったか。判断が遅かったな。みんなずーっと水中に浸かっての捜索で疲れていて帰りの車中は眠りこけていた。アタシもウトウトしたが、運転しているごーいちが寝かけている姿を目にして、一気に目が覚めた。なんとか東京まで戻って、実家で両親と捜索隊と軽く飯を食う。事の顛末を話すとお袋は笑っていた。今日で最上川遠征隊も解散。解散式を行いみんなに挨拶をして帰る。うちで倅を起こして、二分金を見せたがカミさんが「どーせ買ってきたんでしょバカらしい。いつまでうちをほっぽり出して夏休みしてんだよ!」と怒るので、さっさと寝る。
某日、なんだかあっという間に終わってしまった最上川の小判捜索。もっとやりたかったなとつくづく思う。「探す」って行為事態に、ニンゲンの根源的な本能をくすぐる魅力があるんだろうな。普段あまり気にしない「勘」とか「予感」って能力が、バキバキ全開になる。だから目的が小判とか埋蔵金ってモノじゃなくても(化石や遺跡でも)面白いと思う。捜索作業は、八重野さんが言っていた「知的好奇心を満たす最高の遊び」かもしれん。捜索に参加してくれた宮本行さんが、帰り際に「こういうバカバカしい事って大人になるとなかなか出来なくなるから楽しかった」と言っていたが、バカバカしいことを本気でやるってのが大切な気がする。他人から価値がないと思われている事に本気を出せるって、素晴らしい事だ。だいたい「映画」もそうだよな。自分の中にさえその価値が見出せれば、本気になれるんだと思う。午前中は倅と共に実家に行って、昨日まで使った捜索道具を洗って干す。手入れをして片付けた。親父から借りたエルグランドも車内から掃除して、倅とびしょ濡れになりながら洗車する。午後、倅を送ってアタシは「カフェ・ド・クリエ」で最上川捜索についてまとめを書く。書いてはいけないことも多々あって、さて、どうしたもんかと頭を悩ませる。なかなか筆が進まず。いきなり連載の下書きをやろうとしたのが間違っていたのかもしれない。いつも通り何にも制約を設けずに日記を書き、それを下書きに原稿を作った方が早いかもしれない。夕方、倅をお迎え。夜、夏休みが終わる事で飯が食えなくなっている倅の繊細さに気付く。アタシも夏休みが後半になると「地震とか起きて学校壊れないかな」って不謹慎なことを考えたりしていたなあ。
某日、実家の本屋の教科書納入の手伝い。朝、7時半に実家に行き、弟の伸也と小学校の教科書の仕分け作業。10時からバイトの浦山くんが合流。こちらの浦山くんは俳優の浦山佳樹くんとは別人である。春の教科書納入に比べたら、圧倒的に数が少ないので午前中に仕分け作業を終えてしまう。昼飯は「丸源ラーメン」でネギラーメンとチャーハン。小学校への搬入予定は明日からだったが、台風の発生で出来るだけ前倒しした方がいいという判断が親父から出て、今日2校分の教科書を搬入する。数は多くないが、重い教科書の段ボールを運ぶとさすがに疲れる。夕方、明日の積み込みをしてから帰宅。本屋をウロついていたら欲しい本が数冊あった。ただ、予算が限られているから全てを買える訳ではない。さあ、何を買おうか。浮かれ気分でチャリンコに乗って倅をお迎えに向かっていたら、秋津神社の前で急にクラクションを鳴らされ後ろから結構なスピードで向かってきた黒いアルファードに煽られる。驚いてずっこけて、足の親指を深く切ってしまった。バカヤロー! こんな道でスピード出す奴があるか! ってブチ切れてしまい、すぐにアルファードを追っかける。クソが、そっちに直進したら一番舘で行き止まりだわ。地元じゃねえな、田舎モンが! 案の定、一番舘の駐車場で停車しているアルファードを発見。すぐに「こら、あんた危ないでしょうが。ちょっと降りてきなさい。お話ししましょう」と怒鳴りつけると、40代と思わしき頭を茶髪にしたオッサンと、助手席に乗るオバサンが驚いた顔でなんか言っている。極めて穏やかにアタシが近付いて運転席を開けようとしたら、バックで急発進して逃げた。逃げんじゃねえよバカタレが。再び追いかけたのだが新秋津の駅前で見失った。倅のお迎えがあったので、お迎えに行って倅を実家に預け、アタシは黒いアルファードを求めて地元をパトロール。しばらくウロついたが発見には至らず。残念! ダメだよ、細い道でスピード出しちゃ。世の中、オラついた奴にビビるニンゲンだけじゃねーんだわ。ケンカも出来ねえなら最初から煽るなよ。次会ったら問答無用の鉄拳制裁でござる。
某日、実家の本屋の教科書納入の手伝い。昨夜のアルファード事件の顛末をカミさんに話すと「アンタは昔からアルファードとかベルファイヤに敵意があるよね。アンタみたいな眉無しの(現在、K組の準備で眉毛を剃ってる)キ●ガイみたいのが来たら逃げるでしょ。だいたいナンバーも覚えてないなんてバカじゃないの? ただケンカがしたいだけじゃん。40歳超えて何やってんだマジで。子供がいるんだからそうやってイキがるのやめてよ」と、怒られてしまう。「や、アタシは決してケンカがしたい訳じゃなくて、地元の安全の為にやってんだけどな。だって子供や年寄りが轢かれたらダメでしょ? そもそもアルファードやベルファイヤに敵意がある訳ではなく、車に乗ってイキる奴が嫌いなの。マーチでもタウンエースでもイキがってたらイラってするよ。」と説明したが「アンタは何かにつけてケンカしたいだけ。ホントバカだよ。みっともない」と、相手にされず。むむむ。分かり合えないなあ。朝から、明日の始業式で提出する宿題をやっている倅を手伝う。8時半に伸也が迎えにきてくれて、本屋へ。本日も小学校に教科書の搬入。今日は影山くんと近藤くん、半沢くんに栗ちゃんまで来てくれた。男手が6人もいるので搬入作業も楽勝。午前中に1校。午後に1校をやっつけて終わらせる。昼飯は「しゃぶ葉」で食べ放題をいただく。ネコ型配膳ロボットがウロウロしていて驚いた。ロボットに気付かずに立っていたら「どいて欲しいニャン」って言われた。ニンゲンに「どいて欲しいニャン」なんて言われたら「バカにしてんのかこのヤロー!」って、ムカついちゃうけどネコ型ロボットに言われると可愛いから許しちゃうな。予定時間を大幅に巻いて作業が終わる。本屋でゆっくり品定めをして、財布と相談しながら4冊を選ぶ。豊永浩平著『月ぬ走いや、馬ぬ走い』、葉真中顕著『鼓動』、古山高麗雄著『断作戦』、近藤大介著『進撃のガチ中華』を購入せり。夜、原稿が進まないので結局日記を書き始める。が、あまり進まず。
某日、本当は本日も教科書作業だったが、予定以上に早く終わった為お休み。倅は今日から2学期でいやいや学校に向かう。アタシも朝から「カフェ・ド・クリエ」で書き物作業。アタシが家を出ようとするとカミさんから止められる。「アンタどこ行くの?」「や、喫茶店で書き物しようかなって」「また執筆作業ですか! 全くカネにならないのに、コーヒー飲みながら優雅に執筆作業ですか! はー、見事なもんだ。アンタがセリフとか執筆とか言ってる日は、ただのお休みだからね! いつまで夏休みなんだよ! 働け!」と怒鳴られる。そんなこと言われてもなあ。「セリフも執筆も時間がかかるんだよ。」「だったら向いてないんだから、さっさとやめちまえ!」やべえ、マジでお怒りだわ。さっさと逃げよう。「カフェ・ド・クリエ」でアイスコーヒーをすすりながら時系列順に日記を書く。日記を書いておくと原稿に書き起こすことが整理できる。午前中で2日目の捜索途中まで書けた。昼に倅を迎えに行く。久しぶりの登校で、転入生が来たらしい。午後は倅と「デイヴ・ザ・ダイバー」をプレイする。夕方、昼寝してしまってカミさんに怒られる。夜、日記の続きをやろうとするも、結局、DVDでデヴィッド・フィンチャー監督『ゾディアック』を途中まで観る。台風の影響か大雨。裏の柳瀬川の様子を見ると水面が橋の下場スレスレまで迫っていた。こりゃあ一大事。排水溝から汚水が逆流したら困るので、水嚢を準備する。カミさんを叩き起こし、柳瀬川の状況を伝えるが「ホントうるさい。台風のたんびに興奮して。災害ジジイ」と相手にされず。水が引き始めた午前1時くらいまで、柳瀬川を監視する。溢れなくてよかった。
某日、「今日こそは原稿を上げねばならぬ!」と意を決して、起きる。しかし朝から台風で、大雨。警報が出たら学校は休校になるらしく、倅は「雨やまないでくれー」と必死に祈っていた。市内には暴風警報が出たらしいが、どうやら学校は休みじゃないみたい。がっくりきている倅を学校まで送って、実家で書き物作業をする。誰もいないので集中して最上川捜索3日分の日記を仕上げる。おお、これで見通しが立った。午後、倅が帰ったのでいっしょにうちに帰る。午後も書きたかったが、倅と一緒に「デイヴ」をプレイして、昼寝をしてしまう。カミさんから「アンタがセリフとか執筆って言いながら何にもしないで昼寝してるのをみると、ホントぶっ殺したくなる」と、激しく怒られる。物騒だなあ。夜、ようやく原稿を書き始める。まだ半分くらいしか書けていないがもう眠い。
某日、結局昨夜は原稿を半分まで書いたところで寝てしまう。あれだけ固く決心していたのになあ。カミさんに「終わったのか?」と聞かれたので「あとはちょこっと直しするだけ」と見栄を張る。「はー! 今日も執筆活動ですか! これだけ言っても働かないってことは相当ギャラがいい仕事なんでしょうね! 今月の支払調書(俳優業の方)来たけど何これ? 2万って馬鹿にしてんのか!」と、突き付けられた支払調書には「〇〇組 2万」と書かれていた。値段どうこうじゃなくて、この金額をいまのカミさんに知られてしまったのが非常にマズイ。偶然、マネージャーの井上さんから着信があったのでカミさんに聞こえるように「井上さん、〇〇組のギャラの額面が間違えてますよ! 一桁間違ってるっす!」と言ったら、さすが井上さん「え?! 2千円じゃなかったですか! あ、一桁多く入れちゃってました!」と答えてくれる。流石にこの茶番劇を聞いていたカミさんも笑ってしまい、なんとか誤魔化せた。や、実際は何も変わってねえんだけど。午前中から原稿に取り組み、予定の文字数が4200字なのだが、5000字まで添削できた。そうなのだ。アタシの場合は書けないのではなく、書きたい事が多すぎて枠に収まらないのだ。夕方、渋谷へ。代官山のオサレカフェでN組の打ち上げ。Nさんや森井さんはじめ、スタッフのみんなが元気そうでよかった。同級生の相沢くんも駆け付けて、ヤーヤーする。二次会に誘われるも、原稿を修正したかったのでお断りして帰る。帰る前に残されていたフライドポテトを2パック頂戴して、カミさんへのお土産にする。夜、『あるとしか言えない。かもしれない』の第9回分をまとめる。なんとか目標の4200字に収まった。寝る前に『ゾディアック』の続きを観た。