某日、岡山県白石島にて永江組『リゾートバイト』撮影。7時支度で朝から路上で2シーン撮る。もう10時には本日の出番が終わってしまう。いやー、あんまり早く終わってもやる事ないんだよな。これからフェリーで笠岡に渡っても、4時半には戻らなきゃならんから、映画も観れない。まあ、今日は日記の手直しして、島を散歩しよう。とりあえず、午前中は2022年6月分の直し。午後、島を一周してみようと散歩に出る。展望台へと向かい、山道を歩く。山頂の岩の上からは、島全体が一望できる絶景。プチ展望台からソテツ園に抜けて竹林を歩くが、道を見失う。彷徨いながらなんとか山道に出ると、偶然スチールの守屋さんと出会う。山の稜線から島の全景を撮影しに行くとのことなので、一緒に回る。基本的に砂と岩のトレッキングコースで、ビーサンだと踏ん張りがきかず結構難儀した。3時間くらい歩いて帰る。久しぶりに汗をかいていい運動だった。部屋で弁当を食って、本田先生の発達障害の接し方講座を聞いて、風呂に入る。アオイから飲みに誘われたが、ベッドで寝てしまっていた。
某日、岡山県白石島にて永江組『リゾートバイト』撮影。今日も快晴。永江組はほんと天候に恵まれているなあ。雨が降ったのも撮休と室内シーンの日のみ。日差しで坊主頭のてっぺんが日焼けして痛い。主演の伊原六花さんはいいなあ。とても芯が太いし、若いのに気遣いができる。芝居も身体を張って懸命にやるし、アタシの方が全然年上なのに背筋が伸びる。現場に差し入れを何度もしてくれたし、見事に座組を引っ張っていってくれている。日中の出番2シーンを撮り終えて、ナイターまで空く。部屋で日記の手直し。山に登ろうかとも思うが、昨日の登山で腰が痛いのでやめておく。倅とスカイプ。ユーチューブで児童心理士の本田先生の話を聞く。カミさんが勧めてくれたのだが、とても勉強になった。夜、3シーン撮影して終了。12時近かったが、そこから「華大樹」で飲む。佐伯日菜子さんと坪内守さんがオールアップだったので、永江さん、早坂さん、東田さん、遠藤さん、トラ、粂ちゃん、たくちゃん、あおい、みかるが参加。みな、疲れてはいたがいい感じで飲んでいた。佐伯さんが「私バイブレーターがすきなんですよー」と言ったのが面白かった。話の流れでバイプレイヤーと言い間違えたのはわかったのだが、佐伯さんの口から思わぬ単語が発せられたので、なにかのサインを送られたのかと思った。遠藤さんが「バイブレーターじゃなくてバイプレイヤーでしょ!」と突っ込んで、皆が大爆笑。佐伯日菜子バイブレーター事件。これがキッカケで、「翌朝4時から日の出を撮影しなきゃいけないから、ほどほどで切り上げましょう」と言った永江さんの話を忘れて盛り上がり、結局3時半まで飲む。(言い出しっぺの永江さんが30分が我慢できずに寝てしまい、日の出撮影は行けなかった)
某日、撮休日。朝7時起床。7時55分発のフェリーに乗って笠岡へ渡る。美術監督の遠藤さんが参加していた伊丹十三監督『マルサの女』が、福山のシネマモードで上映中。「ぜひ観ましょう!」と遠藤さん、たくちゃん、あおいの4人を誘い、眠い目をこすりながら、福山のシネマモードへ。「午前10時の映画祭」の1本で『マルサ』が上映されていたのだが、残念ながらフィルム上映ではなくDCP上映だった。遠藤さんとアタシは久しぶりに観るし、たくちゃんとあおいは初めての『マルサ』。いやー、傑作! 観ているうちに思い出して来て、次々に出てくる名優のたっぷり芝居に笑う。まさか汐路章さんが不動産屋役だったとは。やっぱり山崎努さんは最高だよな。あのダンスは真似したくなっちゃう。伊東四朗さんのドウランで顔が真っ赤になっているカットも笑った。しかし、映画全編通して画の密度が高く驚いた。伊丹組は本当に豊かだ。作家主義に陥らず、エンタメとして皆が楽しめる。ああ、こんな映画がやりたいよ! 眠気なんか吹っ飛んで、皆で興奮しながら劇場を出る。近くのお好み焼き屋「咲咲」で、広島焼きを突きながら、遠藤さんから『マルサ』の現場話を聞く。夢の島で雨の中、証拠の書類を探すシーンは雨降らしをやっている。昼間の晴天だと臭気がひどくて芝居どころじゃないらしい。匂い対策で雨降らしだったが、それが素晴らしい効果を産んでいた。山崎さんの自宅も、デザイナーさんは使い勝手がいいように広く組もうとしたが、伊丹さんは極力狭く建てさせて、画の密度を上げたらしい。オープニングカットの雪は作り物で、手前の窓枠にはザラメを使っている。次々に出る逸話に興奮。いつの間にか3時間近く話し込んでいた。初見のたくちゃんやあおいも興奮していた。40年近く前の映画だが、今だに最先端で色あせない。やっぱ映画ってそうじゃなきゃいけねえや! 4人でずーっと『マルサ』の話をしながら、笠岡のスーパーで買い物。夕方、初の高速船で白石島に戻る。夕方、Pの上野さん主催で全体BBQパーティー。クルー全員とキャストが参加しワイワイやる。今回の永江組はとても雰囲気がよく結束が固い。島という特殊な環境もあり、すごく楽しい。12時過ぎに流石に眠くなって隣で寝ているトラを起こし、宿に戻る。
某日、撮休日。キャストの都合で2日続けての撮休。本日も7時のフェリーに乗って岡山へ。梶原善さんに紹介してもらったオススメのラーメン屋「天神そば」と蕎麦屋「萊輪」へ行く。笠岡から小1時間山陽線に乗って岡山。久しぶりにヒトが多い駅に着いて面食らってしまった。若い綺麗なオネエちゃんが多い! 島では後期高齢者にしか会わないので目移りしてしまう。桃太郎通りを歩いて「天神そば」へ向かう。開店の10時に着くがもう行列。運よく待たずに入店できた。老舗の中華そば屋で、茹で方のおばあちゃん、盛り付けのおばちゃん、配膳のおばちゃんの3人で切り盛りしていた。早速「天神そば」を注文。細麺で鶏ガラがしっかり出ている醤油ラーメン。メチャクチャ美味かった! 今まで食ってきた鶏ガラ醤油で1番好きかも。あっという間に平らげて、オカワリしてしまう。嬉しくなっちゃうな。普段あまりラーメンは食わないが、こんな美味いラーメン屋が秋津にあったら毎日通っちゃうな。大満足で次は「萊輪」へ向かう。しかし、定休日だった! 残念! まあ満腹だし、映画でも観るべえかと「シネマ・クレール」に寄るが、今度は上映時間が合わない。仕方ねえや。歩いて「岡山市立オリエント美術館」へ。現在のイラクーパキスタンーエジプト辺りをオリエントと言うらしい。この辺の考古、美術品を集めた美術館で、建物や展示もしっかりしていて(割引で)250円だった。素晴らしい! 展示物も有翼鷲頭精霊像浮彫をはじめ、モザイクの動物レリーフ、紀元前4世紀のアレキサンダー硬貨、ホルスの息子の木像など多くの現物美術品があって驚いた。中でも円筒印章(粘土の上を転がして印をつけるスタンプ)やスカラベ型印章がよかったなあ。紀元前24世紀って今から4500年前なのになあ。想像もつかないくらい遠い時間を経て、目の前にある土器や木像に感動した。続いて隣の「岡山県立美術館」へ。開館35周年収蔵品特別展で入場料700円。でも、展示は微妙だった。アオキスミエ「1974」、河口龍夫の金属立体作品、河原修平「峠道」、太田三郎「seed project」、大西信明「mini kupa」が印象に残った。まだ帰島まで時間があったので岡山の街をふらつく。善さんからオススメされた「岡ビル」はほぼお店が閉店してしまっていた。古本屋「隠書泊(おにしょはく)」を見つけ伺うと、マニアックな本が多数! 保育社のカラーブックスシリーズ(懐かしい!)で、村田圭司著『水石』、なかせやよい著『おし花入門』、山口和雄著『日本の紙幣』、岡山の日本文教出版発行の岡山文庫シリーズで、岡長平著『岡山浮世噺』、原三正著『岡山の貨幣』、そして棟方志功著『板極道』、赤塚不二夫著『笑わずに生きるなんて』、色川大吉著『ある昭和史』を購入。これだけ買って950円! 信じられない! いい買い物をしたなと大満足で岡山を出る。笠岡のフェリー乗り場でトラと一緒になる。トラも今日『マルサの女』を観たらしく、2人で感想を語り合う。トラが津川雅彦さんのマネが上手くて爆笑する。「おたふく」に荷物を置いて、あおいに誘われ隣の「みっき」の原田さんからシーカヤックをお借りして、湾内を漕ぎ回る。日没前で夕日を背負って水面を漂っていると、大量のミズクラゲが泳いでいて圧巻された。まるで『アカルイミライ』の1シーンのようだった。そのまま「みっき」で原田さん(シー爺)のお振る舞いを受けて、演出部の亀ちゃん、あおい、たくちゃんと飲む。海ほたるを見に行って、群れた青い発光に感動した。東田さんや録音技師の指宿さん、坂ちゃん、遊佐さんも合流し、宴会。
某日、岡山県白石島にて永江組『リゾートバイト』撮影。本日から大ラス一連のナイターシフト。朝、井上さんと電話。今後のスケジュール確認。日記を書き、昨日購入した文庫をピラピラする。昼、2シーン撮影。再びナイターまで空き。今回の永江組のスケジュールは、前半戦がパツパツで後半戦はゆるい。だけど、こういう時こそ気が抜けない。気を抜いていると思わぬセリフが飛んでしまったりするからだ。中空きで寝るべきだったが、本を読んでしまい寝ずにナイター撮影に入る。当たり前だがもう9時頃から眠くて仕方がなかった。やー、失敗した。ちゃんと寝なきゃダメだなあ。八尺様絡みは合成なので、カット数が多く時間がかかる。待っているとウトウトしてしまった。朝4時前に終了。すぐに寝てしまう。