某日、夜中に発熱。朝は38度5分だったが、すぐに上がる。全身に筋肉痛、寒気、頭痛、喉の痛み。ワクチンの副反応で寝込んだ時みたいだ。正直、つらい。階段を登るだけで息切れするし、暑いのに寒気がひどくて眠れない。でも、カミさんより症状はマシだ。アタシはワクチンを3回打ったので、その分症状が軽いのかもしれない。解熱剤を飲んで寝る。PCRの結果、陽性。井上さんに連絡。昼飯も夕飯も食えた。腹が減る。あと、タバコが吸える。体調が悪い時は、必ずえづいてしまい吸えないが、今日は吸えた。頭が痛いのはつらいな。セリフやれず。あたりまえか。キツいがカミさんよりはマシだし、倅よりはマシだと思う。それよりセリフをやんなきゃだ!
某日、朝起きると嘘みたいに熱が下がっていた。多少の倦怠感や、筋肉痛はあるが、昨夜とは比べ物にならないくらい軽い。おいおい、復活が早すぎやしないか?症状的には、咳が出るのとたまに鼻水が出るくらいだ。しかし、油断はできない。朝、昼、晩と普通に飯も食う。タバコも吸う。よかった、抜け出した。嬉しい反面、セリフという問題に直面してしまう。しかし、今日はまだ病み上がりだし、明日から頑張る。っていつもそんなこと言って後回しにしてる気がするなあ。午後、倅と『ミスタービーン』をDVDで観る。ローワン・アトキンソンの芝居は勉強になる。誇張と素面、緩急と笑いの視点が大切だと思う。夕方、釜山映画祭の事で、アスミックエースの山野さんと話す。何にも知らないので諸事確認。どうやら、昨年片山さんの『さがす』が釜山映画祭のコンペに出たらしく、今年の釜山映画祭で「日本映画スペシャルインフォーカス」という特集が組まれるらしい。そこで『岬の兄妹』が招待されたとのこと。つきましては片山監督とアタシが招待されたそうで。タダで韓国に行けるのだ。あと、韓国で『岬の兄妹』が公開になるらしく、それの宣伝も兼ねるとのこと。よかったなあ!台湾、韓国で公開されるなんて、撮影している時は想像もしなかった。カミさんに言うと「そんなことはどうでもいいから、韓国にはコン・ユさんのポスターがあるだろうから必ず手に入れてこい!」と命令を受けた。なんとかせねば。奥野瑛太くんから電話。幸いなことに感染しなかったそうだ。夜、海外渡航用ワクチン接種証明の申請をする。
某日、多少咳が出るが元気。カミさんはまだ辛そうなので、養生させる。午前中、セリフを入れるために歩く。自宅から聖地霊園へ往路は、山下組『B』と『ガンニバル』のセリフ。霊園で祖父母の墓掃除をして、復路は賀々組『C』のセリフをやる。歩いているとちょっとした坂や階段で息切れする。体力が落ちてるなあ。それとも呼吸器系の後遺症だろうか。あんまり考え過ぎても不安になるので、タバコが吸えているから大丈夫だと信じ込む。午後、倅とポケモンカードゲームをやって昼寝。夜、倅と金曜ロードショーで『耳をすませば』を観た。倅が途中でウトウトして「ゴリ、戦いが始まったり妖怪が出て来たら教えて」と言うので2階に連れて行き、寝かせる。『耳をすませば』初めて観た。いやー、めちゃいい映画だった。アタシ、中学二年の頃って、シンナー吸って喧嘩しかしてなかった。こんなにも甘酸っぱい時間だったのか。彼女なんかいなかったしなー。監督の近藤喜文さんのことを調べて、早世された事を知る。残念だ。あまりにもいい映画を観たので、セリフをやるつもりだったが諦める。いっつも言い訳して、セリフを入れる作業に向き合わない。そりゃあ自分が一番よくわかってるっつーの!アタシは昔から追い込まれないと本領を発揮しないタイプ。でも、もう、いよいよ時間がなくなってきた。明日から絶対に森組のセリフに手をつける。や、もう何度目の宣言だろうか?そして誰に向けて宣言しているのだろうか??
某日、午前中、森組セリフ練習。柄本明さんとのやり取りなので、気合を入れる。柄本さんとは初めて芝居をするので、本当に楽しみ。森組はセリフが方言なので、とにかく音でイントネーションを覚える。緊張して飛んでも対処できるように深く入れねばならん。自宅から歩き始め、聖地霊園経由で、所沢インターに出て、東所沢方面に抜けて帰ると3時間半くらいセリフ念仏。暑くて大量に汗を掻く。今日は昨日より息切れしない。ホッとする。帰って、倅とポケモンカードゲーム。山下組で抗原検査。ビビっていたが、陰性。ホッとする。カミさんの体調は、変わらず不調。長引きそうだ。味がわからんらしい。夜、森組の脚本を読んでいて、一つ道が見えた。暗中模索期間を越えたかもしれない。
某日、朝起きると土砂降り。午前中、飼い猫のジロの呼吸が異様に荒くなっている事にカミさんが気付く。慌ててクーラーをかけるが、しばらく辛そう。1時間くらい様子を見ていると、呼吸が落ち着いて、寝始める。心配でセリフ練習に行けず。午後、餌をねだるのでチュールをあげると少しだけ食って寝る。ちょっと安心。夕方、セリフ練習3時間。聖地霊園ー東所沢コース。途中で「メダカの餌やりお手伝い」用のプレゼントにポケモンカードを購入。猫の餌も買う。井上さんから連絡。某大作ドラマの話が来たが、お断りする。まあ、無名性を大切にするってのは、こういう事の連続だ。極力、知名度を上げないように、ドラマは基本的にやらない。例外は映画監督が演出する場合だけ。このやり方でやっていくって決めたんだから、後悔はない。「マツーラさんならそう言うと思ってました」と、井上さん。井上さんの本音はドラマをやらせたいのだろうが、アタシの性格や思考を理解してくれている。本当にありがたい。井上さんと中村座の歌舞伎を観に行く約束をする。夜、「メダカの餌やりお手伝い表」を手書きで作る。しばらく地方撮影が続いて全くうちに帰れないので、倅にメダカの餌やりをお願いする。毎日あげたら、1週間ごとにご褒美がもらえる仕掛けなのだ。なかなかいいモノが出来上がった。
某日、朝、倅とポケモンカードゲーム。これは、はまり始めたらやばいなあ。底なしだわ。しかしポケモンってコンテンツは莫大な富を生み出しているなあ。結局、午前中はダラダラしてしまう。しばらく家を離れるのが嫌なんだと思う。その割には、来月も釜山とカンボジアに行こうとしている、、、。人間は矛盾を抱えた生き物なり。さらに11月には某組の撮影で、しばらく水戸の可能性が大。カミさん、怒るだろうなあ。午後、聖地霊園ー東所コースでセリフ念仏を4時間。森組のセリフを流しながらやる。まあ、あらかた入っている。あとは本番までにどれだけ深く入れて、自由に芝居できるか。早くセリフから解き放たれたい。夜、京都ロケ用のパッキング。パンツが全然ねえ。荷物はできるだけ少なくがモットー。たらなきゃ現地で買えばいいのだ。昨日から急に朝晩肌寒くなって来た。京都はTシャツだけじゃやばいかなあ?さて、明日から怒涛の撮影シーズンに突入。気合入れるぞ。
某日、午前中、賀々組『C』の衣装合わせで角川大映スタジオへ。入口で田本清嵐くんと会う。田本くんは現在、足立組の「安倍暗殺事件」を絶賛撮影中。いやー、噂は聞いていたけどもう撮影してたのか。足立さんとやりたかったな。賀々組では、村岡しんさんはじめ、あいちゃんやホッピーちゃんがいて和気藹々。賀々さんにも、脚本がめちゃ面白かった事を話せる。今回は1シーンだが、参加出来て本当によかった。終わりで山下組『B』の撮影のため、バスタ新宿から木更津へバス移動。ホテルが控え室だったのだが、某S組も同じホテルを控え室にしていたらしく、村上淳さんとお会いする。山下組では服部龍三郎さんとお巡りさん役。あんずちゃんとのやり取りだが、主演のMさんが来れず、代役で水澤紳吾さんがやってくれた。水澤さんとセリフのやり取りは『まんが島』以来か!3人でキャッキャして楽しかった。実写をアニメーションにするため、上がりがたのしみ。帰りに山下さんから誘われるが、明日からのパッキングをしなきゃならんから、断って帰る。飲みたかったな。
某日、『ガンニバル』撮影の為、兵庫県は和田山へ。新幹線で京都まで出て、特急「きのさき」で和田山へ。遠いなあ。池袋駅構内のユニクロで、パンツとウィンドブレーカーを購入。京都から和田山への構内乗り換えが意外に遠くて、ギリギリになる。和田山から現場へは半田さんの車。第2シーズンへの話を聞く。今回は後藤家での撮影なので、酒匂芳さんや六角精児さんと会っておしゃべり。スタッフも疲弊を感じた。みんな頑張れ!暮れてから撮影。川井さんと片山さんの演出の擦り合わせで、そこそこ時間を食ったが、仕方ない。1回目のテイクはいい感じに微妙な芝居ができたが、2回3回と重ねる毎に分かりやすくタップリしてしまった。舘野さんや西さんに「1回目の芝居が1番良かったなあ」と言われてしまう。反省!帰るとカミさんから着信。発作が起きてしまったらしい。秋津に泊まるとのこと。俺がいなくて不安なんだろうな。これからしばらく地方遠征なので心配。