某日、内装仕事で門仲。工房で什器制作。通勤読書は遠藤公男著『ニホンオオカミの最後』を読み終える。誠実に資料を探し、実地調査もされている力作。オオカミ見つけたくなった。えー、本日はごーいち(嶺豪一くん)と伊藤くんと作業。アタシは什器の仕上げ塗装と水研ぎ。1000番で水研ぎし続けて肩が痛くなる。昼飯は「まいばすけっと」でアンパン(生クリーム入りのヤツで美味い)と焼きそばパン、コロッケパン。なんだか軒並み値上げしているなあ。物価が高くなっているのに賃金は変わらない。こんなシステムおかしいだろ。日本で政治に対するテロが起こらないのが不思議であります。や、テロリズムを賞賛する気持ちはないけど、「食い詰め者が一矢報いる」って事が、現状の日本で起こらないのが不健全な気がするんですよ。去勢されまくってんのかなあ。夕方まで作業して、大工の山田さんに渋谷まで送ってもらう。渋谷で遠藤雄弥くん、佐藤五郎さん、小路紘史監督と落合い、赤提灯で飲む。映画『辰巳』のトークに呼ばれたので、登壇前に皆でワイワイ話す。感想を伝えると小路さんが「ぜひその話をしましょう」と言ってくれる。アタシはすぐにはしゃいでしまうので忘れるかもしれないが、しっかり者の遠藤くんや見事なバランサーの五郎さんが一緒なので安心だ。ユーロスペースでの『辰巳』上映後登壇。(以下『辰巳』公式ツイッターより)『松浦さんは、『辰巳』を観てまず思ったことは「嬉しかった」と。
「最近の日本映画では、配役をこの『辰巳』のように全てオーディションで決めるというのはすごく珍しいことだと思います」と言うと、「役者には、”準備が出来ている役者”と”準備が出来ていない役者”がいて、”準備が出来ている役者”というのは、いつ呼ばれてもしっかりと役を演じることが出来る人のこと。『辰巳』の出演者は全員”準備が出来ている役者”だと思ったし、そういう役者をキャスティングしたことに、生意気かもしれないですけど、拍手を送りたいです」と話し、オーディションで出演俳優を決めていくことについて、「他の作品もそういうフェアな環境で役者達が選ばれていったらいいなって思いますし、観ているお客さんもそれまで自分が知らなかったすごい役者さんたちに出会うことが出来ると思います。僕が小路さんの前作『ケンとカズ』でカトウシンスケさんや毎熊克哉くんを知ったように。そして、『SR サイタマノラッパー』で水澤紳吾さんや奥野瑛太くんを知ったように」と、終始、アツい話をしてくれました。』もちろんアタシはそんなにうまく話せなかったが、こういう事を話しました。実際、映画って有名無名関係なく公平にオーディションをして役を争うべきだと思う。小路さんはそれをちゃんとやっていた。こういう映画は絶対に評価されるべきだし、「映画に出たいんですがどうしたらいいですか?」って人こそ、『辰巳』を観てテメエのアンテナの低さを実感するべきだと思う。実際やってるヤツはいるんだよって話。上映後、水野さんから差し入れをいただく。ありがたい。毎回ごちそうさまです。そして多摩美の佐々木さんも上映を観てくれて、差し入れをいただく。アタシは一時期、多摩美術大学の夜間部に通っていたのだが、その時にお世話になった。佐々木さんに「除籍の学生だったのにすいません」と言ったら「や、マツーラくんは自主退学だから除籍じゃないと思うよ」「え? 森岡龍が、マツーラさんは除籍だって言ってたんですよ」「あれー、調べてみるよ」アタシは龍が言ってたから除籍だと思っていた。なんで最終学歴は高卒だと公言していた。ん? そしたら大学中退ってことか? まあ、いまとなっちゃどっちでも良いけどさ。や、どっかの都知事みたいに学歴詐称だ! なんて言われちゃうかもしれねえ。いや、詐称じゃなくて逆詐称か?
某日、午前中から倅を連れて羽根木公園へ。毎年恒例だったがコロナでしばらく中止していた班長さん(山本浩司さん)主催のお花見会を開催。お花見なんて時期でもないので、ただたんに公園でブルーシートを敷いてワイワイするだけなのだが。班長さん、水澤紳吾さん、岩谷健司さん、服部竜三郎さん、嶺豪一くん、中村映里子さん、和田光沙さん、島田桃衣さん、松澤匠くん、岡部尚さん、河井青葉さん、川瀬陽太さん、菅野友恵さん、坂倉なつこさん、藤井千帆さん、寺沢るみさん、向井康介さん、渡辺謙作さん、伸也、なんかが集まってワイワイやる。他にも色々参加されていたが、アタシがあまり話せず把握できてませんでした。すみません。まあ、毎年やっていた会だったが、今回はみんな子供を連れてきてさらにワイワイする。このお花見が始まった頃、子供連れで参加していたのは謙作さんくらいだった。みんなこの貧困極まりない映画界でなんとかサバイブしながら、子育てしてすげえなあ。アタシはガキ共の総大将となり水風船を投げ合ったり、キャッチボールしたり、穴掘ったり、泥だらけで遊んで着替えを持ってきていないことを後悔した。あまりみんなと話せなかったが、まあ仕方ねえや。川瀬のおじさんが「マツーラは映画屋向けに託児施設やったらいいんじゃねえか?」と言うが「映画屋相手に商売したって、誰も金払わねえでしょうが!」と極正論を言ったら、みんなで笑っていた。夕方でお開き。健全でいいじゃないか。班長さん、やっぱりいいっすね! これからも続けましょうね。これからは若い連中にも声がけして、益々苦しくなる映画界の連帯を高めていきましょう。帰りの電車内で、倅と話していたら、どうやら楽しすぎて咳も止まったらしい。よかった。倅も初めて会った子達ともバカみたいに遊びまわっていてよかった。自分の全く知らない環境下でも、楽しんで過ごす能力ってすげえ大事だと思う。今後生きて行く上で、役に立つ能力だ。どんな状況でも楽しめたら、それに越したことはないんだぜ。
某日、朝から倅と宿題をやる。今週は3日間、風邪で学校を休んでいたから山のように宿題が溜まっていた。ブーブー言っていたが、一緒にやる。漢字が苦手なようで難儀していた。やはり苦手な漢字を書く練習が必要だと思う。漢字練習ノートを作る。倅はコツさえ教えたら飲み込みが早いので、そのコツをうまく教えられたらいい。あとは数を書いて覚えるしかない。セリフと同じだよな。午前中いっぱいかかって、やり終える。昼は実家にみんなで集まって飯。妹の悦子とその子供のターコとキーチもきている。伸也も参加。じいちゃんが肺炎で入院中だが、みんなでワイワイ飯を食う。午後、倅とキーチと学校でキャッチボール。うちの庭で遊んでいる時に、アタシがキーチを怒ったことでカミさんと言い合いになって、アタシだけうちに帰る。ふて寝。夕方起きたら倅もカミさんも帰ってきていて驚いた。カミさんが怒って口を聞いてくれないから、アタシの意図を説明する。夜、テレビで放送していた「カツオ漁師日本一決定戦」のドキュメンタリーを食い入るように見る。倅も「将来は漁師になる」と言っているだけあって、集中してみていた。風呂後に日記書き。先週から、日曜日にまとめて日記を書いている。遠征時は雑魚寝だったりするので、なかなか毎日書けない。しかし、まとめて書くのもいいかもしれない。と思ったりする今日この頃だ。
某日、内装仕事で大田原遠征。朝5時20分の電車で西那須野まで向かう。電車で約3時間。移動中の読書は、小野民樹著『新藤兼人伝 未完の日本映画史』を読む。長い移動なのでたっぷり読書ができる。アタシが知っている新藤兼人さんは、監督として(近代映画協会設立後)だったので、新興キネマの美術部だったなんて知らなかった。勉強になる。西那須野駅で太田さんに拾ってもらって、湯津上のキャンプ場へ。あいにくの雨だが、この雨の中どうやらシャワー施設の屋根を作るようだ。太田さんが相変わらずビーサンで作業するアタシを心配して、地下足袋を買ってくれる。え? 地下足袋が必要なレベルなんですか? 現場で建物を見て驚いた。片方が結構な傾斜でせり出した片流れ屋根だ。これの屋根を雨の中、作るのかあ。ちょっと萎えるなあ。しかしやるしかない。まず、ツーバイ材が縦に通った(垂木)屋根上に登って、野地板を横に60センチの間隔で張っていく。片流れの下がり部分は地上から2メートルくらいなので平気なのだが、頂点部分は地上5メートル。高所恐怖症のアタシにとっちゃ地獄だ。さらにせり出し部分は太田さんが乗れないので、アタシが作業することになる。垂木根太は足をかけると揺れるし、雨で滑る。ここで落ちて怪我したくないので、慎重に作業する。太田さんが地下足袋買ってくれて助かった。昼飯を食いにラーメン屋へ。太田さんが奢ってくれて、胡椒ラーメンとカツ丼セットを食う。午後から雨が止み始めたので、ホッとする。野地板をかけ、ポリカの波板を張る。野地が通ったことで、屋根が固まって揺れも少なくなったが、それでもせり出し部分に乗るのは怖い。休憩も屋根の上でタバコを吸うだけ。タバコを吸いながら太田さんと「俺たち内装屋なのになんで屋根作ってんのかねえ?」なんてぼやく。しかも周平さんが買い出したポリカは、色も違うし長さも2種類。しかも足りない。おいおい、ちゃんとしてくれよ! 優しい太田さんがキレてゴリラ化してきたので、収める。仕方ないので太田さんが買い出しに。アタシ一人で作業する。6時を過ぎて屋根上にライトを設置。帰ってきた太田さんと8時頃まで作業して、屋根を張り終える。いやー、疲れた。弁当を買って風呂に入って寝る。寝る前に小野民樹著『新藤兼人伝 未完の日本映画史』を読む。
某日、内装仕事で大田原遠征。大雨。今日から昨日屋根を張ったシャワー棟の壁作りで、山田さんの大工チーム3名が合流。さらにダイゴさんも来てサウナ室を作る。アタシは太田さんと相番して、シャワー棟の電線を配置していく。予想以上の大雨だったので、「昨日無理をして屋根をかけて良かった」と太田さんと労をねぎらう。昼飯は「原田食堂」でとんかつ定食。ここのとんかつは分厚くて美味い。親父さんが釣り好きらしく、鮎釣りの賞状や、1メーターを超えた巨大ウナギの魚拓が飾られている。雨の中、夕方まで作業して、那須塩原駅まで送ってもらう。移動読書は引き続き、小野民樹著『新藤兼人伝 未完の日本映画史』。宇都宮線に乗っている途中で、読み終える。途中ですごくいい文章があって、ページを折った。近代映画協会に入社した方が、入社時に新藤兼人さんから言われた言葉。「この世界は泥沼ですけど、覚悟はありますか?」その時は理解できなかったが、時間が経つにつれ「どういうことかだんだんわかってきた。だけどね、離れられないのよ、泥沼から抜けられない(笑)」入社から新藤さんと苦楽を共にした50年後。「ここへ入ってきて映画が嫌だというように思わないもんね。映画こそ自分の仕事だと思ってやっているから、損得とかなんとかとかじゃなくてね」という部分。映画って人生を捧げても「幸せだった」と思えちゃう、不思議で不幸な魅力があるのだ。ゼニにはならねえし、誰に褒められるワケでもない。アタシなんか、カミさんに絶大な迷惑をかけながらもやっている。でも、この泥沼から抜けられねえ。いや、抜けたいと思ってねえんだろうなあ。そんぐらい面白くて魅力的なんだよ。
某日、無職渡世。カミさんが「何日も地方仕事してるとアンタは絶対にロクなことしないから、2泊までしか許さない」と、御達しが出て、大田原から引き上げる。なんだか最近、アタシの浮気を疑っているのだ。こんなハゲてガサツで金もなけりゃあデリカシーのカケラもない人間に、好意を寄せるヒトなんかいねえっつーの。そもそも好いた惚れたって感情なんか、忘れてしまったわよね。そもそもコンプライアンスにうるさい昨今、告発のリスクをかけてまで一線を越える事ってよっぽどだと思う。だったら映画観ていたり、オッサン同士でバカ話している方が楽しいよな。で、アタシがおうちでパソコン作業をしようとしたら「アンタ、アタシが働いてるのに遊んでるなんて頭おかしいんじゃないの? 目障りだから出てけ」って言われる。どないせえってんだ! 仕方ないので、シナリオとパソコンを抱えて「カフェ・ド・クリエ」へ。F組のシナリオを読んで、日記の修正作業。午後、倅が帰る時間帯に帰宅して、一緒に宿題をやる。アタシがおやつで買ったポケモンウェハースのシールで「ピカチュー」が当たったのをきっかけに、ポケモンウェハース熱が出て、倅と一緒にポケモンウェハースを探す旅に出る。このウェハースは大田原のファミマで購入したので、近所のファミマに行くが売ってない。セブンイレブンとお菓子のまちおかにも売ってなかった。人気で売り切れてんのかな?ダメ元で入った百円ローソンでとうとう発見。5個購入する。ウェハースはビックリマンチョコのアレと似ていて美味い。倅と1つずつ食って、レアコイルとヨノワールがあたった。カミさんからは「またゴミ集めて」と叱られたが、いいのだ。全部集めてやる。
某日、内装仕事で大田原遠征。朝、5時出発で西那須野に8時20分着。移動読書は笠井潔著『テロルとゴジラ』。なかなか面白い。午前中は雨の降る中、太田さんと電気作業。昼飯はレストラン「駒」。高齢のおばあちゃんとおじさんが切り盛りするレトロな食堂。でかい猫のラッキーが座敷に寝そべっていて、猫の写真が店内中に貼られている。なかなか風格のある正しい食堂。アタシは初めての店だったが、太田さんに勧められてカツカレー(900円)を注文。大田原の飲食店あるあるだが、ここも量が多い。カツの他にも大量の具が入っているボリューム満点カレー。カレーを頼んだのだが、フォークを出される。むむ? っと思ったが、同じくカレーを頼んでいた太田さんもおっくんさんもフォークだったので、「駒」の厳格なルールなのだろう。ルーをすくうのにちょっと難儀したが、味はバカ美味い。おばあちゃんがテレビをみながら「もう小池知事はさ、やめたほうがいいよ。長いよ」と言うので、カレーを食いながら同意する。午後はサウナ室の外壁を張る。ベニヤ材で切り出すのだが、そもそも建物がかしいでしまっているので、カネがだせず苦労する。夜飯は、太田さん、周平さん、ミヒラさん、ダイゴさん、おっくんさん、なべさんと鳥料理の「秀」へ。唐揚げやトリ焼きをワシャワシャ食う。美味えなあ。バカみたいに食って、ミヒラさんに奢ってもらう。ごちそうさまでした。夜、母屋で酒を飲みながらオッサンだけでワイワイやる。赤堀雅秋さんからメールで「ソフトバンクに0対5から逆転勝ち。ありがとうございます」とくる。「明日からライオンズ戦なのでお手柔らかに」ってメールを返すと「新井くん、出所したって」と返信。え? そんな事ないでしょ! だってこの間面会した時に、そんな話してなかったじゃないですか! 慌てて赤堀さんに電話すると「ラインに本人から連絡が来た」とのこと。続けて班長さん(山本浩司さん)からも、出所の連絡。マジだった! よかった! 水澤紳吾さんに電話して喜び合う。ああ、良かった。長かったけど、とうとう帰ってきた!
某日、内装仕事で大田原遠征。朝、7時起床。村岡伸さんと電話。新井さんの詳細を聞く。母屋でコーヒーを落とすが、誰も母屋にこない。8時になったので現場に行くと、それぞれ勝手に作業をしていた。ちょっと来なかったら大田原のルーティーンが変わってしまったのか。そのままシャワー棟の防水作業に入る。ビックサンという防水剤を撹拌して、部屋内の立上り部分に塗り重ねて行く。この防水剤は服につくと洗濯しても落ちないから、難儀なのだ。昼飯は蕎麦屋「すずや」へ。天ざるそばの中盛りを頼む。相変わらず美味い。午後も雨の降る中、防水作業。夕方までやってダイゴさんの車に乗せてもらって帰る。帰る車内で、ダイゴさんから「マツーラくん、アストラルセックスって知ってる?」と聞かれる。「や、知らないっす、なんすかそれ?」「ようは幽体離脱しながら幽体同士でヤるらしいんだよ」「いや、幽体離脱ってそんな簡単にできる事じゃないでしょ?」「それが、練習したら結構自分の意思で出来るらしい」「えー? マジっすか?」アタシが半信半疑で言うと、ダイゴさんが『角由紀子のヤバイ帝国』というユーチューブを見せてくれた。ほー、角さんが言うには「訓練したら自分の意思で幽体離脱出来る」らしい。しかも、訓練法まで言っていた。幽体同士でヤるって事は、そもそも浮気に入らないだろうし練習してみようかしらん。