某日、森義隆・阿部修英監督『母の待つ里』の撮影で岩手県の遠野。本日は全体撮休。朝、森さんから「天の湯へ行きませんか?」とお誘いを受ける。ホテルから「踊鹿(おどろか)温泉・天の湯」まで40分くらいぷらぷら歩く。早瀬川沿いを歩いていると、確かにカッパが出てきそうな雰囲気がある。おどろおどろしいモノではなく、大岩の上でカッパが相撲取ってそうな雰囲気と言おうか。カッパがいたらすぐに相撲取れる様に心の準備をして歩いた。「天の湯」はラドン温泉らしく、スタッフさんも「すごくよかった」と褒めていたのだが、入ってみて納得。そんなに熱くないお湯で、アタシものんびり入れる。冷泉の方は乾電池の匂いがして、これもまたヨシ。地元のおじいちゃんに囲まれてゆっくり浸かる。ここでも岡本さんとバッタリ。森さんもやってきて、ヤーヤーしながら風呂に浸かる。「天の湯」には畳敷きの大広間が併設されていて、三千円で宿泊もできるそうだ。天国だな。いい気分で風呂を出て、森さんのチャリンコに二人乗りして、ジンギスカン屋「羊丸」で、ジンギスカンとラムチョップを食う。森さんと映画や家庭の話をしながら食う羊肉は、美味かった。森さんが奢ってくれて、更に二人乗りで蕎麦屋「まんてん」まで行く。森さんがずっと食いたかったそうで、天ぷら蕎麦ごぼうわさび付きを食う。遠野では「ごぼうわさび」が流行っていると言っていた。これも美味い。山菜の天ぷらも行者ニンニクが絶品だった。満足して森さんのホテルまで帰って、別れる。ホテル前で菜葉菜さんと会う。「モンペ、出来たって!」と教えてくれたので、一緒に先日伺ったおばあちゃんの手芸店「マヨイガの郷」へ行って、モンペを買わせてもらった。すこぶる快適でありがたい。ホテルに戻ると、伊藤英明さんから電話。そのままベッドでウラジミール・ソローキン著『愛』を読んでいるうちに、昼寝。夜、カミさんからの電話で起きる。菜葉菜さんと一緒に、夕飯。ジンギスカン屋「まるまん」でラム丼をいただく。美味かった。菜葉菜さんによると、「まるまん」の冷麺は絶品らしい。食いに来なきゃな。菜葉菜さんとおしゃべりして解散。片山慎三巨匠から新作の件で電話あり、しばらく話す。寝る前に、N組の脚本を読んだら、向井康介さんのシナリオだった。
某日、森義隆・阿部修英監督『母の待つ里』の撮影で岩手県の遠野。午前中、ずっと訪れたかった遠野市立博物館へ。水木しげるさんの「カッパ」「おしらさま」のアニメーション作品や、アニメーションに語り部のナレーションが入った「キツネの恩返し」等、遠野物語をテーマにした映像作品を観る。1階の展示では、遠野の1年の行事をまとめた映像作品や、猟師の持つクマのお守り、絵馬の展示など興味のあるものが多く、9時の開館と同時に入場して、出たのが1時半だった。たっぷり楽しめたし勉強になった。もっと早く訪れるべきだったな。部屋に戻って脚本を読んで昼寝。5時から支度して現場へ。本日はジンギスカン鍋のシーンを撮影。アタシがジンギスカン鍋を作る際、森監督から「野菜は手で掴んでガサッと入れてください」と言われたので、テストの芝居中に「素手だけど、ヘルペスとクラミジアしかもってないから大丈夫ですよ」と言ったら、中井貴一さんから「そんなあるのか」と突っ込まれる。本番では鍋から野菜がちょっと溢れてしまった。勿体無いので拾い上げて鍋に入れようとしたら、中井さんが「それは戻さないで」と言っていた。面白かった。差し入れも毎日誰かが入れてくれて、芸能人ってすげえなと思う。今日なんか、「中井貴一」って焼印が入ったドラ焼きが大量に差し入れられていた。こういう文化があるんだな。どら焼きをいただいてたら制作部の方に「美味いっすか?」と聞かれたので、「どら焼きはどら焼きだよ」と伝えたら笑っていた。本日最後のシーンを五頭さんと撮り終えたのが、24時。珍しく深い時間までの撮影だった。ホテルに戻ると中島ひろ子さんと菜葉菜さんから飲みのお誘い。部屋飲みする。中島さんも菜葉菜さんも盛り上がって、後半はなぜかアタシが正座しながらお話を拝聴する流れになってしまった。結局、5時まで飲む。すげえなあ。ご両人とも眠いだろうにまだまだイケる感じだったので驚いた。
某日、森義隆・阿部修英監督『母の待つ里』の撮影で岩手県の遠野。本日は出番なし。昨晩も遅かったのだが、8時に目がさめる。せっかくなので、歩いて「天の湯」へ。平日の午前中だからか、お客さんがおらず貸切状態でお風呂に入れた。41度の温泉と、14度の冷泉に交互に浸かる。全身が痺れてすごく気持ちがいい。アタシは長っプロが苦手なのだが、1時間以上浸かっていた。「天の湯」の女将さんから『カッパ捕獲許可証』の話を聞く。遠野市の観光協会が発行するモノで、アタシは予てからカッパ猟師になりたかったので、早速観光協会へ。『カッパ捕獲許可証』を受領して、お土産に遠野名物のどぶろくを買う。インディ500でジャグラーを打つが、痛い目にあってトボトボ部屋に帰る。昼寝して、夜8時から演出部の岡本さんに誘われて「Deん」で、今作のサブキャストで出演してくださった「遠野物語ファンタジー」の皆さんと飲む。「遠野物語ファンタジー」は、遠野市民が原作、脚本、スタッフ、キャストなどすべてを行い、遠野市に伝わる民話や歴史を題材にした作品を上演している市民劇団。創立から今年で49年の劇団で、岩手県の市民劇団としては1番の老舗。岩手は演劇が盛んで、各都市に市民劇団が存在するそうだ。劇団創設のお話や、今年上演された芝居の話をワイワイやりながら飲む。もちろん1次会で終わらず、そのままスナック「とれもろ」で、一郎さんのボトルを開けてワイワイやる。「とれもろ」のママさんが愉快な方で、すごくいい店。「Deん」の女将さんも合流する。「Deん」の女将さんは、ジャズシンガーで、カラオケを歌ってくれた。遠野って不思議な街だ。みんな芸事をやられている。芸能活動が盛んなのだ。12時まで飲んで、解散。アタシは更に岡本さんと行きつけのバー「リバース」に案内してもらって、飲む。ここのマスター水野さんが素晴らしい方で、なんでもっと早く来なかったのかと後悔した。今作のプロデューサーの石井さんも偶然来店し、グデングデンで飲む。2時に解散。すごくいい時間だった。
某日、森義隆・阿部修英監督『母の待つ里』の撮影で岩手県の遠野。本日も出番なし。朝、樹さんの絶品手作り朝食をいただく。やはり美味いのよ。午前中、「とぴあ」に遠野名産のどぶろくを買いに行く。ホテルで梱包して、中野社長と水澤紳吾さんに送る。親父とごーいち、久保田さんの分も買う。タバコを買いに出ると、中島ひろ子さんとばったり。お世話になった「マヨイガの郷」へご挨拶に伺うというので、一緒に伺う。中島さんから「今日、現場で集合写真の撮影があるけどどうする?」と聞かれたので「実は釜石に行こうと思うのですが」「でもさ、原作の浅田次郎さんも来るって言うし、一緒に行こう」とお誘いを受けて、午後、一緒に行くことになる。部屋に戻って荷造りして、日記を書く。いよいよお世話になった遠野ともお別れだなあ。来年、倅を連れて「遠野物語ファンタジー」の公演を観に訪れたいなあ。昼間はお土産を購入したり、洗濯したりで結局時間が潰れる。午後、中島ひろ子さんと撮影現場のふるさと村へ。しかし、入れ違いで浅田次郎さんは帰られておりました。縁がなかったなあ。撮影現場では、久しぶりに小野寺ずるさんと満島真之介くんと会ってヤーヤーする。集合写真を撮ってホテルへ。昨夜飲んだ奥寺さんが訪ねてきてくれる。奥寺さんはブルーベリー園を営まれていて、「カミさんへのお土産、何がオススメですか?」と聞いたら「うちのブルーベリー持って行きますよ」と言ってくれたのだ。飲みの場だったので期待していなかったのだが、本当にブルーベリーのジャムを持ってきてくれた。ありがたくいただいてしまう。奥寺さん、ありがとうございました。夜、阿部修英監督のお誘いで、居酒屋「魚っこや」で、中島ひろ子さんと菜葉菜さんと四人で飲む。「魚っこや」は魚がめちゃくちゃ美味い。居酒屋ではないレベル。遠野は色々な漁港の集積地になるらしく、山の中だけど昔から魚が美味いそうだ。阿部さんは東大卒の親不孝もので、やはりシャレがわかる。ありえない企画話を肴に、バカなことを言って笑う。いやー、笑い倒したいい飲みだった。解散後、ひとりフラフラと「リバース」へ。マスターの水野さんやエミリンさん、常連の皆さんが迎え入れてくれる。「明日は早いから1杯だけ」って思っていたが、楽しくて1時過ぎまで。帰り際、水野さんとエミリンさんからお土産までいただく。本当にありがとうございました!
某日、森義隆・阿部修英監督『母の待つ里』の撮影で岩手県の遠野。本日は6時に起きて6時20分の仕度時間に行く予定だったが、6時過ぎに演技事務の竹村さんから「おはようございます!」と一言だけメールが届く。なんだ? 朝から気合入ってんな! と思ってアタシも「おはようございます!」と元気に返信する。すると「6時仕度場入りだったので確認のため連絡しました」いやいや、アタシは20分入りだよ。だいぶてんてこ舞いなんだな。なんてお気楽に仕度場に行くと、本当にアタシは6時入りで出発が6時20分だった。みんなから笑われながらバタバタと着替える。ご迷惑をおかけしました! 火葬場のシーンや葬儀のシーンの撮影。満島真之介くんとタバコを吸いながらおしゃべり。「自分はやっぱコッチ側(野良犬的立場)の人間なんで、マツーラさんとNHKやってんのが嬉しいっすよ」なんて言ってくれる。バタバタ撮影して、本日オールアップ。お土産にまたまた樹さんの卵やお味噌をいただく。ありがてえなあ。五頭岳夫さん、中島ひろ子さん、菜葉菜さんと遠野から帰郷。楽しかった遠野よ、また! うちに帰るとカミさんから「一生帰らなくてよかったのに」と小言を食うがそれも久しぶりで心地いい。夜、実家にどぶろくやお土産を届ける。親父がどぶろくを喜んでいてよかった。
某日、朝、メダカの水換え。アタシがいない間、倅がメダカの世話をしてくれていて助かる。お隣のKさんとおしゃべり。メダカをあげる。パッキングを解いて洗濯。日記を書く。昼過ぎに倅と所沢へ。倅の視力が急激に落ちたらしく、視力検査でひっかかってしまった。眼科へ行き、診断書をもらってゾフでメガネを作る。スポーツタイプのカッコいいヤツがあったのだが、倅は「学校で使うから今までのヤツと同じのがいい」と言う。そうか。色々考えているんだな。夕方、倅と実家へ。伸也が遊びに来ていたのでおしゃべり。夜、PS4で『デススト』やる。
某日、倅とカミさんと1泊2日のキャンプへ。春休みにアタシが撮影でうちにおらず、キャンプに行けなかった。倅が楽しみにしていたので、ゴールデンウィークのこの休み中に行くことになったのだ。午前中にパッキング。と言っても、今回はテントキャンプではなく宿泊施設に泊まるグランピング。カミさんが「トイレとシャワーがないと絶対にやだ」と言い張るので、仕方ねえや。電車で坂戸まで出て、坂戸でキャンプ用の食材を買い込む。越生線で越生(おごせ)まで。そこからタクシーで今回のキャンプ地「ひみつきち・KOMOREBI」へ乗り込む。まだ新しげな施設でオサレ。目の前に都幾川が流れていて、早速倅が飛び込む。水深も浅く綺麗な川でパチャつく。薪を割ったり、ヤギに草をあげたり、のんびり過ごす。夕飯も食材が用意されていて、買い込んだ分が食いきれずに困った。夜、焚き火をして過ごす。倅は疲れてしまったのか9時過ぎに寝た。アタシは貴志祐介著『兎は薄氷を駆ける』を読んで寝る。
某日、越生でキャンプ。朝から昨夜残した食材を料理してやっつける。倅とカミさんと散歩。午前中にチェックアウトして、歩いて銭湯「玉川温泉」へ。田舎道を40分かけてフラフラする。「玉川温泉」は昭和をテーマに飲食や遊びもできるちょっとしたテーマパーク。今日は連休だったので「レトロカー」の展示があった。入り口に10台近いダイハツミゼットが並んでいて驚く。自走していたしナンバーもついていた。倅と風呂に入ったが、温度が低めで子供でもゆっくり浸かれてよかった。アタシも熱い湯よりぬるめの湯が好き。風呂上がりにピンボールをはじき、外で輪投げや射的をして遊んだ。昼飯は金魚鉢メロンソーダ。満足して帰る。秋津で倅と駅前の立ち食いそば「木曽路」で、紅生姜天そばを食う。倅はたぬきそば。「木曽路の天かすはエビが入ってたんだけど、俺、エビ苦手かも」と倅は言っていた。帰って伊藤くんに電話。内装仕事の状況を聞いたのだが、明日から大田原に遠征することになってしまった。
某日、内装仕事で大田原遠征。最近、撮影で地方が続き、帰ったらキャンプでスッカリお遊びモードになっていたのだが、カミさんから「ずいぶん長い春休みだな。散々遊んでたんだからすぐ働け!」とケツをぶっ叩かれ、仕方なく出勤。根が不精者なのでなるだけ楽して生きていたい。昨夜観た福田さんの短編の感想をメール。通勤読書は織田作之助著『放浪・雪の夜』。門仲の工房に集合し、大田原のキャンプ場の現場へ。乗り込んだ時は山の中に廃屋に近い小屋があるだけだったのだが、一ヶ月半振りに行くと、見違えるようになっていた。仕上げ作業で、風呂場の天井左官と暖炉壁の下地左官。夕方、太田さんと藤田さんと温泉で風呂に入る。夕飯は自炊でオーナーの三平さんも交えて鉄板焼きを食う。毎度のことながら、寮長は太田さん。飯は大体太田さんが作る。アタシは片付け係。みんなでワイワイやりながら、11時就寝。田んぼの稲を植え始めていて、水の入った田んぼのカエルがずーっと鳴いている。聞いた事ないくらいの大合唱でちょっと楽しい。鳴いている蛙の声に集中すると、鳴き方の個性に気付く。カエルでも、音痴なヤツがいたり、リズムを外すヤツ、長く鳴けずすぐ休むヤツがいる。ヒトとおんなじだわ。