某日、「明日は早く起きて、倅を遊びに連れて行こう」と思い、8時に起きたら、うちには誰もいなかった。カミさんにメールするも返信なし。せめてもと思い、掃除機をかけ、洗い物をして、洗濯物を干した。まだ帰ってこないので、トイレ掃除して、メダカの水換えをする。それでも帰らないので、心配で電話をしても出ない。しばらくすると「あなたには関係ない どうぞ御勝手に行動してください なるべく在宅しないでください」とメールが来る。昨日はうちにいないことを散々罵られたのに、今朝はコレだ。どうすりゃあいいんでしょうか? カミさんの事も倅の事も好きなのに「あなたは口だけ」と言われるしなあ。参っちゃうなあ。途方にくれながら実家に顔を出す。だいぶおボケになられたじいちゃんが、用意してもらっている昼飯をもう食っていた。10時過ぎなのになあ。クーラーを消していたので、付けておく。そのままK組『S』の衣小合わせのため表参道へ。移動読書は畠山清行著『日本の埋蔵金』。あ、「衣装合わせ」って今まで書いていたのですが、どうやら衣(装)小(道具)合わせが正しいらしいです。読んで字のごとく、衣装と小道具を合わせて確認するから衣小合わせ。何歳になっても勉強ですな。ロビーでキャスティングの田端さんと密談していたら、共演の円井わんさんとお会いして、ヤーヤーする。K監督にお会いするのも久しぶり。K監督とお仕事したのはだいぶ前だったが、撮影時はK組のスタイルに驚いたのだった。K組って、長回しでテスト1回、そのまますぐに本番で、だいたい1テイクしかやらない。だから徐々に芝居のアクセルを踏んで、テストの3回目くらいでトップにもって行くか! なんて小賢しい事は出来ないのであります。たった1回だけ。その1回性に掛けて懸命にやるしかないのです。こりゃあ、俳優部にとってはとっても怖いんだから! 今作の衣装はスタイリストの伊賀大介さん。伊賀さんとは『季節のない街』以来かな。お久しぶりって感じはない。伊賀さんとは定期的に一緒になる。脚本はKさん(監督とは別人のKさん)だし、お世話になっている方々が多いなあ。K監督とヒソヒソ話しつつ、ババっと合わせて、オツカレサマデシタ! となる。うちに帰る旨、カミさんにメールしたら、クソ重たい返事が来て、ズーンとくらってしまい読書もできず。そのままの気持ちでうちに帰ると、倅が何か勘付いてしまうかもしれないので、切り替える。夕方まで倅とバトミントン。お互いヘタッピなのでラリーが続かない。一緒に夕飯を食い、風呂に入る。夜、ツイッターで『浪子回頭日記』の告知をした。『浪子回頭日記』の広告収入で、アタシのDVDや書籍代を賄いたいと思うのだが、さてさてどうなりますやら。明日の撮影の為に早めに寝る。
某日、白石組『十一人の賊軍』鋸南のセットで撮影。朝5時55分、新宿郵便局前出発。1度遅刻をかましてしまったので、4時に起きて、早めに新宿へ。5時半くらいに移動車に乗り込むと、車両部の関口さんに「早いですねえ!」と感心された。「一回やらかしてるんで心配なんですよ」と正直に話す。今日は撮休明けなので、皆の顔色がいい気がする。さすがにナイターシフトが続いてスタッフの方々に疲労が見えていたから、よかった。俳優部は一番遅く現場入りして、一番早く帰るが、スタッフの方々はそうはいかない。どんなに撮影が充実していても肉体的な疲労は蓄積するし、撮影が通いな分、泊まりの撮影よりも睡眠時間が削られてしまう。休養日は絶対に必要だ。本日は、賭け事をキッカケに賊軍メンバーと侍方の諍いのシーンを撮影。侍方の田中俊介くんの口にした「非人どもが!」という一言が原因で、賊軍メンバーと揉めるのだが、官軍との初戦を終え団結したかに見えた流れの中、侍との身分差が提示され仲間割れが起こる重要なシーンだ。このシーン前半(賭け事)での尾上右近くんのセリフ回しの見事さ、小道具さばきの完璧さに驚いてしまう。手が多い芝居でセリフ量もあるのだが、いとも簡単にやってしまう。さすがだなあ! 後半戦の喧嘩での田中俊介くんの芝居も見事だった! 右近くんに切りつける一刀の動きには見惚れてしまった。今回の役はある意味、賊軍の敵役なのだが、俊ちゃんは毎回予想を上回る芝居を仕掛けてくる。コレには刺激される。現場でも俊ちゃんの芝居に刺激されて、俳優部の芝居が、グワッと上がった。芝居が猛烈に動いて、やっていて楽しい。そして仲野太賀くんの立ち回り方。俊ちゃんを止め、賊軍メンバーに割って入っるも、芝居の邪魔をしない。見事な受け芝居。この技量も驚いた。脚本を読んで想像していたより、圧倒的に濃密なシーンになった気がする。面白いなあ! 撮影で俳優部がノッテいる時って、スタッフさんも面白がっているのがわかる。その雰囲気って本当に大切だ。組の雰囲気って絶対にその監督によると思う。白石さんはそれを意識的に作れる監督だ。休憩時間にそんな白石さんとおしゃべり。白石さんと同い年の監督が、熊切和嘉さん、西川美和さん、李相日さんという錚々たるメンツ。同い年の監督たちが華々しいデビューを飾るなか、なかなか監督ができなかった白石さんは悔しかったそうだ。熊切さんが若松プロに『鬼畜大宴会』のVHSを持ってきた時も、若松孝二監督と一緒に白石さんは『鬼畜』を観たらしい。その時、若松さんが『鬼畜大宴会』を褒めたので、白石さんは内心穏やかじゃなかったと。わかるなあ、その気持ち。アタシも俳優としてのデビューが遅かったので、同世代の俳優が活躍する姿を見て悔しかったもんなあ。今となっちゃあ気にすることもないし、むしろ同世代の活躍は嬉しくなるけど、若い頃って嫉妬してたもん。その話を聞いて、白石さんの為に懸命にやらんといかんと誓う。夕方5時過ぎに撮影終了。久しぶりにデイシーンの撮影だったが、この時間に終わるのは嬉しい。新宿まで送ってもらう。道中、連休の中日だったので、アクアラインが大渋滞。アタシはオチッコが漏れそうになり、途中のサービスエリアに寄っていただく。危なくションベン漏らすとこだった。
某日、白石組『十一人の賊軍』鋸南のセットで撮影。撮りこぼしたシーンの撮影で早朝からの予定だったが、映る可能性がないとの事で、午後2時出発に時間が下がった。倅と約束していたジャスティン・シミエン監督『ホーンテッドマンション』を新所沢のレッツシネパークで観る。うちを出る前にカミさんに声をかけたら、ボソッと「思い出作りか」と言われた。おっかねえなあ。映画は正直、倅が観たがっただけで、アタシは興味がなかったのだが、コレがまさかの大当たりだった。ちゃんと怖がらせつつ、大人が鑑賞しても内容が濃い映画で、俳優もよかったし、何よりツアーガイドの役でウイノナ・ライダーが観れたのだ! 万引き事件以来、久しぶりの映画なんじゃないだろうか? 鑑賞中、倅はずっとアタシの手を握っていた。恋人か! 後半はゴーストたちもコミカルに演出されて、最後のパーティーシーンなんかアタシまでウキウキしてしまった。いい気分で映画館を出て、駅前の噴水に寄ったら、鳩にパンクズをあげているオッサンからパンをもらう。倅がキチンとお礼を言ったら、気を良くしたオッサンからたけのこの里をもらっていた。いただいたパンを噴水の中にいる金魚に与えて、お金持ち気分を味わう。倅をうちまで送って、新宿へ。移動車はアタシと小柳亮太くんの2人だけだったので、ずっとおしゃべりしてしまう。小柳くんは現役時は「豊山」の四股名でバチバチにやっていた。角界の「女性が国技館の土俵に上がれない」問題について、小柳くんは猛烈に反対していて、そりゃそうだよなと思う。角界も映画界も、変革に保守的な点が似ているよな。お互いの業界について話してみると、結局行き着く先は変革を拒む既得権益者なのであった。この問題は根深いぞよ。韓国映画界のように、徹底的な改革を望んでいるが、日本映画界は腰が重いのよな。こんな大切な問題を話し合ううちに現場に到着。支度が終わってもまだナイターの出番まで時間があったが、退屈なので現場に遊びに行く。今日は脚本家の小寺和久さんが現場見学に来ていたのでおしゃべり。小寺さんは片山組でもお世話になっている。アタシはあくまで「脚本通り、セリフは一言一句の俳優です!」とアピっておく。脚本家に恨まれたら痛い目にあっちゃうからな! キャスティングの田端さんと山下さんも差し入れを持って来てくれた。お二人とも大変お世話になっているし、今作もお声がけいただいた。こういう本当にヤリガイのある現場に呼んでくれるので、ありがたいのです。田端さんや山下さんとキャッキャしていたら、白石さんが無言で近付いてくる。「やべえ、怒られるか?」と思ったが、田端さんに「吊り橋のセット凄いから、ぜひ渡って来て」と自分のヘッデンを渡すので安心した。現場でおチャラけて油断するなよ、ポンコツ俳優部! さて、ナイター撮影は大雨で撮りこぼした、逃げ出すマサを皆で追いかけるシーン。足場の悪い坂道を駆け下りる。アタシはセリフで「ぶっ殺せ!」と叫ぶのだが、直前のシーンで芋ご飯を大量に頬張っていたのだ。山田孝之くんが「マツーラさん、ぶっ殺せ! で、米粒飛ばす気でしょ」とケツを掻いてくる。そのアイディアいただきますわ! 早速、小道具担当のコブちゃんに訳を話すと、すぐに握り飯を用意してくれた。さすがだ、サンキュー! ただ、「ぶっ殺せ!」というセリフのタイミングを間違うとカメラに映れないので、1回目のテストでタイミングを探った。するとすぐに白石さんが「セリフのタイミングが遅いから早く言って」と演出が入る。さすがだなあ。「すいません! 走るスピード考えます!」と言い訳したらすぐに「スピードじゃなくて、カメラ前でセリフ言おうとするからだろ!」と突っ込まれる。いやー、芝居をよく見てやがんな! こうなったら仕方ねえ。最初にタイミング通り1回「ぶっ殺せ!」と言おう。2回目は鈴木さんの構えるBカメの良い位置。(テスト後に鈴木さんが「マツーラさん、セリフはこの辺が美味しいです」と良き場所を教えてくれたのだ)そして駄目押しの3回目は池田さんのAカメに入りそうな場所。3回も言ったらNGが出るかもしれないが、そこは賭けだ。それより3回セリフを言うので、米粒を飛ばす量を考えないと、全部のセリフで吐き出せなくなっちゃうな。とか、スケべな事を考えているうちに、本番。さあ、1発勝負だ!最初の「ぶっ殺せ!」は映る前に言う。2回目はちょうど小柳くんのセリフが終わったタイミングで、Bカメに映る良い位置だったので、怒りに任せて「ぶっ殺せ!」と言う。しかし3回目は、移動するAカメが視界に入らず、勘で「ぶっ殺せー!」と叫んだ。カットがかかって、ちょっと協議の間ができた。こういう時はさっさとスタート位置に戻って、監督の視界から消えることが大事なのだ。去り際にBカメの鈴木さんと目が合って、鈴木さんが頷いてくれた。撮影部のクマちゃんは笑っていたし、尾上くんは親指を立てて健闘を讃えてくれた。田中俊介くんも「マツーラさん、やったっすねえー。好きですわ」と言われ、佐久本くんも笑いながら「さすがっス」と言ってくれる。大きな現場でこういう求められていない事をやるって、結構緊張するもんなのよ。でも、やらないで後悔するより、やらかして後悔する方がイイ。白石さんが仕方ねえなあって感じでオッケーを出してくれた。ああ、良かった。これで本日の出番は終わり。挨拶しながら現場を歩いていたら、スタッフさんからも「3回も言うとは思わなかったわ!」「全部米粒飛ばすから、笑っちゃいましたよ」と感想をいただく。本編で使われなくても、現場のスタッフさんに楽しんでもらえたので本望です。松尾愉さんや山田孝之くんから、宿舎での飲みのお誘いを受けるが、家庭の事情を話し、帰京する。残念だなあ。でも、仕方ねえ!
某日、昨夜の帰りが遅かったので昼くらいまで寝てしまう。午後、『浪子回頭日記』の10月分の修正作業をして伸也に送る。2時半に倅をお迎え。一緒に宿題をやる。算数のテストとカタカナの書き取り。倅は飲み込みが早いので、字も強烈な癖字だったのが、字のバランスの取り方を助言しただけで、すごく綺麗な字を書く。今日もカミさんは無視状態だったが、倅を介してちょっとだけ話す。宿題が終わった倅はスイッチでポケモン。アタシは鑑賞しながら、『2nd』の連載のネタを考える。夕方、倅とバトミントン。今日は3回ラリーが成功する。水澤紳吾さんと電話。赤堀さんの舞台物販の件と向井さんのお祝いの件。そして入江組の話。色々あるなあ。夜、日記を書く。明日の白石組のシナリオを読み返し、まだまだ色々出来そうだぞ、とほくそ笑む。『福田村事件』の反響か、色々な方々から感想の連絡をいただく。そういえば、新所沢のレッツシネパークでも『福田村事件』が上映されていた。独立系の映画館を中心に上映が広がっているようで嬉しい。森達也監督はじめ、映画に関わった多くの方々のおかげだな。
某日、白石組『十一人の賊軍』撮影。鋸南のメインセットでデイシーン。早朝4時起床。新宿郵便局前を5時50分出発。本日からいよいよ官軍との第2次合戦のシーン撮影に入る。まずは本丸を砲撃されて、慌てふためく賊軍と侍方の撮影。野村周平くんと、シーン頭でちょっとしたアクションを作る。野村くんがセリフを言いながらアタシを蹴るだけだったが、またアタシのイヤラしいピラニア精神が遺憾なく発揮され、野村くんに手を増やしてもらい段差から転げ落ちる芝居を入れる。しかし、やってみたら2段の段差(80センチくらいの高さ)から土間に落ちるだけだが、これがなかなか難しい。落ち方を間違えると腰を強打してメチャ痛いのだ。1回目の本番では腰から落ちてしまい、腰巻のマイク送信機のつなぎ目が当たってビックリするくらい痛かった。しかし2回目からはコツを掴んで、より派手に見えるように落ちる方法を探ってしまう。先日、アクション部の後藤さんは、至近距離で爆破を受けて階段落ちをやっていた。心配になるくらい凄いアクションだったが、飄々とやってのけた。やっぱりプロは凄い。撮影では官軍の砲撃が着弾するカットの仕掛けで、爆破もやった。着弾のタイミングで、はったい粉とコルク片を発射装置から噴出させる。結構な発破音がなって驚いた。休憩時に山田くんとおしゃべり。家庭のことをいじられる。わざわざ宿舎を借りてくれたのに、後半戦は参加出来ずに申し訳ない。「なに勘違いしてんですか。マツーラさんいない方が静かでいいですよ」と言われてしまう。「そんなこと言って、ホントは寂しいんだんべ?」と聞いたら、全く感情のない目で見返してくる。最近の山田くんは、この『死んだ魚の眼』でアタシを見るという必殺技を覚えたようだ。山田くんにしろ太賀くんにしろ、本当に気遣いの行き届いたヒトで、それが今回の現場の雰囲気の良さに繋がっている。現場の空気感がいいと、芝居も伸び伸び出来る。過剰な緊張感や不安感は、余計な緊張になり、萎縮した芝居を生む。萎縮した芝居なんて一番ツマンナイ。海外映画のメイキングなんか観ていると、俳優が楽しそうに芝居してて、憧れてきたけど、邦画もそうなって欲しいよ。ピリついた空気感が必要なシーンもあるだろうが、そんな事しなくても芝居は出来る。邦画界にはびこった「ピリつく現場はいい現場」的な、勘違い甚だしい現場観は絶対に変えなけりゃあいかんのヨ! 本日の昼食事、田中俊介くんがアイス屋さんのキッチンカーの差し入れをしてくれた。オラア、アイス屋さんの差し入れなんか初めて見ただよ。山田くんと美味しくいただきました。俊ちゃん、ゴチです。2時くらいに出番が終わってしまう。スケジュールの変更があり、しばらく白石組の撮影が空く事になった。現場は一番楽しいので残念。マネージャーの井上さんから電話。田端さんから、色々お気遣いいただいた事を知る。ありがたい。田端さんには頭が上がらねえなあ。
某日、無職渡世。家庭内での風当たりは風速45メートル。あまりにもカミさんの態度がキツイ為、倅がアタシの肩を持ってくれる有様。ただ、まだ救いは感じる。全く口をきかなかったカミさんだが、アタシが洗い物をしていたら「二度手間」とか、洗濯物を干していると、「これ見よがしにウザー」とか言ってくれるようになった。完全無視期間は終わったのかもしれん。倅はゲームセンターにある「釣りスピリット」にはまっていて、ずーっと釣りスピの話をしている。朝、学校へ送って行く時も、釣りスピの話。たまに「SCP096ーシャイガイ」の話も入ってくる。これもアタシは知らなかったのだが、「SCP財団」というネット上のコミュニティサイトで、超常現象やホラー、空想科学を書き込む共同創作サイトがあるらしい。倅が異様に怖がっている「シャイガイ」という怪物も、ココに書かれていた。どこからそんな事を知るんだろうな? とにかく、倅の頭の中は、「釣りスピ」85、「SCP」8で、残りの7パーセントで学校や家庭のことを考えているっぽい。倅を送った後、実家に顔を出す。出勤前の両親と話す。特養に入っているばあちゃんが38・9度の熱を出しているそうで、明後日面会に行く事に。年も年だし、会える時に会っとかないと。じいちゃんのデイケアの方が来るまで、実家で作業。『2nd』の連載2回目の下書き。こんな事を書くと、まるで物書きみたいじゃないの! 午後もうちで続き作業をするが、あまり捗らず。倅が帰宅してからは、一緒にマイクラやったりで作業は出来なかった。夜、八重野充弘著『埋蔵金発見!』を読む。実際見付かった小判や千両箱の写真が載っていて、具体的にそんなお宝を見てしまうとテンションが上がってしまう。先日から寝る前と朝、チョメが猛烈に甘えてくる。なんだろう? 人恋しい時期なのだろうか?
某日、無職渡世。朝から倅が登校を渋る。遅刻の連絡をして、しばらくグダグダさせる。1時間目が始まる前に「釣りスピ」を餌に一緒に学校へ向かう。アタシはそのままカフェドクリエで書き物作業。『2nd』誌の連載もの(タイトルはウエダくんに任せたので、まだ決まっていない)の第2回目を書く。この連載では実際に「埋蔵金の発掘」を目的に、アタシが右往左往する様を書いていこうと思っている。副編集長のウエダくんを半ば恫喝して通した連載なので、面白くしたいのだが、驚くことにアタシは埋蔵金に関する知識なんぞ1ミリも持っていないのだ。なので参考資料として、糸井重里著『あるとしか言えない』、畠山清行著『海底の秘宝と埋蔵金』、水野智之著『埋蔵金35兆円の謎』、泉昌彦著『信玄の黄金遺跡と埋蔵金』、畠山清行著『日本の埋蔵金』(上下巻ではなく抜粋版)、角田喜久雄著『東京埋蔵金考』、八重野充弘著『徳川埋蔵金伝説』と『埋蔵金発見!』を自腹で購入し、お勉強。読み始めて、すべての本が面白くて驚く。埋蔵場所の推理作業はミステリー本を読むが如く手に汗ビッショリ濡れるし、埋蔵金発掘作業はノンフィクション本を読むような臨場感でページを捲る手が力んじゃって震えてしまう! こりゃあ、読書体験としても素晴らしい! 1冊1冊、読んでいくうちに、「埋蔵金」の魅力に取り憑かれてしまった! なんだこの世界! メチャクチャ面白いぞ! 今回の連載は2000文字から2500文字以内という幅なのだが、勢いで書き出したら止まらなくて3000字を超えてしまう。「埋蔵金モノ」の本については、各書解説したいのだが、それは連載の方でやろう。午後までかかって、叩き台を書き終える。倅を学校に迎えに行って、一緒にバトミントンをする。夜、ネットフリックスで遅まきながら『ストレンジャー・シングス』の第1シーズン8話を完走。ドラマシリーズって長いのでなかなか手が出ない。これも4シーズンまであるがどうするかなあ。
某日、無職渡世。朝8時、倅に「ゴリ、約束してた釣りスピやり行くよ」とテンションマックスで叩き起こされる。「まだお店開いてないだろ」「ゴリ、ラウンドワンは6時からやってるんだって!」まじかよ、ラウンドワン気合い入り過ぎだろ! つーわけで倅と所沢のラウンドワンに併設されたメダルゲームコーナーへ。倅がハマっている「釣りスピリット」をプレイする。まあ、メダルをかけてロッドを選び(ロッドの強さでメダルの値段と釣れる魚が変わり、必殺技を使うと10メダルが必要)釣った魚に応じて、メダルがもらえるってゲーム。倅はここんとこ、暇になるとリールを回すアクションの練習をするくらいハマっていて、学校の自由帳にも釣りスピに出てくる魚ともらえるメダル数を表にして書いていた。もう、ほぼビョーキだ。3000円分メダルを買って、メダル投入の時間も待てないくらい熱心にプレイしていた。アタシも一緒にやるつもりだったが、倅のあまりの熱中具合に感心してしまって、全部のメダルを倅に渡した。そこまで熱中出来る事って凄いよ。倅はガンガンメダルを使って、1時間半ほどで使い切って終了。ずーっとリールを回していた副作用で、右腕が痙攣していた! 周りから見たらホント、バカバカしい事に金を使っているように感じるだろうが、いいじゃねえか! テメエにそこまで熱中出来る事ある?! ほとんどの人がないと思うんだよな。逆に立派だよ。金なんか後先考えず、好きなように使ったらいい。ただ、無い時ゃ無いで、楽しみ方を見つけろよ! その後、所沢のタックルベリーに寄って、アタシの欲しいアジング用の竿をみる。ああ、アジングロッド欲しいなあ! 午後、実家に行き、お袋とじいちゃんと伸也と4人で、特養に入所しているばあちゃんの面会に行く。ばあちゃんはもう会話もできないが、先日、38・9度の高熱を発したそうで、もう何度も会えないだろうからいい機会だ。ただ、会っても正直なとこ、複雑な気持ちだった。アタシの知っているばあちゃんの姿じゃないし、嬉しいとも悲しいとも思わない。「まあ、こんなもんだろ」って思ってしまった。実家に帰って、伸也と『浪子回頭日記』の広告表示の話し合い。「投げ銭システム」を入れたら? という意見をもらったのでその検討。そして、将来的に日記の1年分を自家出版かオンデマンド印刷での出版の可能性を検討する。殿山泰司さんや小沢昭一さんに続いて、ちくま文庫で書籍化できたら最高なのだが、その可能性も低いだろう。やはり本屋の倅だし紙での出版に憧れがある。書籍化、したいなあ。夜、ネットフリックスでポール・グリーングラス監督『この茫漠たる荒野で』を観る。さすがトム・ハンクスだよなあ。トムさんが黙って立っているだけでも、魅入っちゃうもん。なんでだろうか? 滲み出る人間性? そこを深く思考することが必要だな。