某日、無職渡世。本日も内装仕事にあぶれる。カミさんの許可を得て、TOHOシネマズ新宿へ。水曜のサービスデーで1本1200円。楽しみにしていたリューベン・オストルンド監督『逆転のトライアングル』を観る。さすがオストルンド作品。スノッブな連中の描写に容赦がない。豪華客船の金のかかった撮影で、映画にリアリティを与えている。金のかけ方がわかってらっしゃる。セレブな連中が嘔吐しクソ塗れになるシーンは笑ってしまった。終わり方も唐突でよかった。2本目はパク・チャヌク監督『別れる決心』。正直、期待していたほどではなかった。俳優の芝居も驚くところがなく、映画的冒険も少なかったように思う。3本目はダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート監督『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。人生初のアイマックス。料金がプラス600円。しかし映像はパキッとクリアだったし音も良かった。賞レース総なめでA24作品だから期待していたが、アタシの好みではなかった。要所要所でムムムと思う。大嘘つくなら細部が大事だ。アジア俳優の地位向上に貢献したと思うが、映画的快楽は感じなかった。まあ、愛こそすべてって話はその通りなんですが、スンマセン! 4本目は『バビロン』が観たかったが、金がなくなったので残念ながら観れず。アイマックスの追加料金がなきゃ観れたのになあ。井上さんから連絡で、K組の帰国がさらに1日伸びる。その日は倅とお出かけの約束をしていたのだが、その予定も飛ぶ。カミさんも長期の外泊で大変だろうから、1日でも早く帰りたいのに、、、。日本の映画もきちんと細かい契約を取り決め、オーバー分の追加料金や稼働日分の保証などちゃんとやろうぜ。それを契約書でガッチリ決めてほしい。じゃないと今作のように作り手の誰もが辛い状況ができてしまう。金がないなら作品を作るべきじゃない。日本も早く詳細な契約を結べるような環境にしないと、若い世代が映画業界に来なくなるぞ。や、すでに来なくなっているじゃないの。韓国映画界も10年前までは劣悪な労働環境だったらしいが、今はきちんと契約書を交わし、詳細なルールがあるじゃない。邦画は本当に遅れている。少なくとも自分らの世代で変えていかないと、と切に思う。
某日、実家の本屋で学校の教科書納入の手伝い。次男の伸也、三男の哲也も参加。エリート社員の哲也は、わざわざ有給を使って伊賀から馳せ参じてくれる。今日は高校の教科書の組み作業。倉庫に大量に積まれた教科書の段ボールから、教科ごとに必要な冊数を取り出し、まとめる。段ボールにはぎっちり教科書が入っているので、重くて結構な肉体労働なり。朝から兄弟3人でバタバタやる。昼は「餃子の満洲」でレバニラと焼き餃子。午後にはバイトの方々も参加し、皆で教科書を組む。栗ちゃんや北村くんも手伝ってくれる。1時半に早上がりして、カミさんと小学校で面談。倅が4月から通う小学校で、校長先生を含め6人の先生方とお話し。夜、倅を連れて実家へ。倅は哲也と将棋を指す。夜、DVDで小川紳介監督『三里塚・辺田部落』を観る。台湾の王くんからメール。返信したが届いてないのか、同じ内容のメールが王くんから届く。どうやったら届くのだろうか?
某日、実家の本屋で学校の教科書納入の手伝い。朝から伸也と哲也と3人で作業。2日目で早速腰が痛い。伸也はこの作業を月末まで親方としてこなしている。なかなか出来る事じゃねえよなあ。昼は「丸源ラーメン」で担々麺。夕方まで作業。書店でウラジミール・ソローキン著『親衛隊士の日』と森達也著『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』を購入。夜、倅を連れて実家へ。WBCの日本対韓国戦が中継されていてみる。やっぱり野球は楽しい。台湾でも試合が開催されているらしい。K組の撮休で観戦できないだろうか。ここ数日、セリフ練習をやっていない。やらないと、、、。
某日、朝から倅を連れて実家へ。弟の伸也と哲也と倅と4人で清瀬のバッティングセンター「アスカ」へ。哲也の発案で、倅の人生初バッティングセンター体験。「アスカ」は老舗で、自分がガキの頃遊びに行った記憶がある。哲也は高校野球をやっていたのでさすがのスウィング。アタシは80キロのマシンは打てたが、120キロは全く当たらず。頭のイメージと実際の体の動きがついていかない感じ。120キロって元ライオンズの牧田投手の球速より遅いはずだが、振り遅れてしまう。タイミングがとれたと思った球でも差し込まれてしまう。悔しいなあ。倅は80キロのマシンを2回やったが、あまり楽しんでいない。つまらないかと聞くと「マシンの球が出てくるところを見ていると緊張する」らしい。わからんでもないが、そういうもんだしなあ。あまり楽しめない倅とは対照的に、キャッキャしている親父(アタシ)と叔父さん(哲也)。一通り楽しんだ次は、倅がクレーンゲームをやりたがったので、東久留米のイトーヨーカドーのあるゲームセンターへ。倅はクレーンゲームが好きでカミさんが禁止令を出すほど突っ込んでしまう。ここでも1000円渡すと、早速、人形とペロペロキャンディーをゲットしていた。倅はでかいラジコンカーのクレーンゲームに狙いを定め、挑戦。こういういい景品は取れねえモンなんだぞと言ったアタシのアドバイスなんざ聞かず、黙々とやっている。手持ちの金が尽きると、伸也が2000円出してくれた。フックに景品がぶら下がっていて、クレーンで引っ掛けて落とそうとするが、景品の自重が重いため落ちないのだ。こりゃあダメだろうと眺めていたが、なんと倅が落としてゲットした。いや、驚いた。こういういい景品って落ちないように出来ているモンだと思っていたが、獲れるんですねえ。倅もでかいラジコンカーをゲットして自慢げな顔。やってみるもんだなあ。昼飯に「リンガーハット」で皿うどんを買って、皆で実家に帰って食べる。伸也と日記の連載について話し合う。1年前の日記連載について、哲也に話すと面白がってくれた。ま、伸也に任せてやってみよう。(それがこの『浪子回頭日記』となりました。)午後、倅と歯医者に行き、再び実家でラジコンで遊ぶ。夕方帰って、WBCの日本対チェコ戦を見る。ヌートバー選手ってサッカーの闘莉王やラモスの系譜な気がする。いい選手だ。日本は快勝。代表選ってあまり見てこなかったが、スター選手が集まっていて面白い。あまりにも強すぎて、3回以降はチェコを応援してしまった。夜、PS4で「信長の野望 大志PK」をやる。長宗我部家で天下を目指す。「信長の野望」って、年に1度はやりたくなる時期があるんだよなあ。
某日、カミさんと倅と旅行。最近、泊まりでの仕事が続き、離婚騒動にまで発展してしまったのでその償い。出がけにカミさんから「ワクチン接種の証明書を持っていけ」とお言葉をいただいたので、パスポートに挟んでいた証明書を持って行こうとパスポートを探すが、、、ない!!先日まで持っていたパスポートがないのだ!狭い部屋を引っ掻き回すが、全く見つからない。証明書はまた再発行してもらえばいいが、パスポートはそうもいかない。そして2度目の台湾行きが10日後に決まっている。やべえ!隅々まで家中を探すがない。参った。そして出発の時間が来てしまった。ここで旅行をキャンセルはできないので、暗澹たる気持ちのまま、鬼怒川温泉に向けて出発。移動の電車内も不安で仕方ない。だって帰国したのは7日前だ。そこからパスポートを最後に確実に見たのが6日前。その間になくすだろうか?記憶を掘り起こせど、手がかりになるようなことはない。カミさんのスマホを借りて、パスポートの再発行の手続きを調べる。申請から発行まではなんと6営業日は必要らしく、計算すると明日には申請しないと間に合わない。逆に考えれば、明日申請したら間に合う。そう思ったら気が楽になった。春日部から特急スペーシアに乗って、鬼怒川温泉駅へ。そこからバスに乗り、日光江戸村に着く。現在、戦国武将や忍者にはまっている倅のたっての希望で江戸村。私は名前は知っているがどうせローカルな観光施設でしょってくらいにしか考えてなかったが、これがめちゃ楽しめたのだ。セットもさることながら、常駐の江戸村俳優さんの素晴らしい心遣いで気分はお江戸。見事に世界観にはまった。倅も引っ込み思案なはずなのに、侍教室では自ら進んで元気に参加していた。倅と一緒に挑戦した忍者修行も、私の方が楽しんじゃうくらい面白かった。ダルマ絵付や、弓矢を使った的当て、手裏剣的当てなど楽しい遊びがいっぱいだった。倅は忍者衣装に変身していたが、私もサムライ衣装着たかった。もちろん予算の都合で却下されたのだが。退館時間目一杯まで遊ぶ。帰り際にニャンまげ様とも会えて一緒に写真を撮った。倅が「すげえ楽しかった!帰りたくない。次はいつ来れる?」って言うくらいだから相当だ。バスで鬼怒川温泉に戻り、「鬼怒川観光ホテル」入り。チェックインしてすぐ夕食。これがまたバイキングで料理も多く楽しいのだ。美味いから減量中なのに「今日はチートデーでーす」なんて言い訳して、バカみたいに食った。多分、パスポートの不安が食欲につながってしまったんだな。部屋に戻り、テレビでWBCを見ていたら寝てしまった。起きると10時でカミさんも倅も寝ていた。一人で風呂に入って寝る。
某日、朝5時過ぎに倅が起きてバタバタしだす。6時過ぎに起床。怪しのパスポートの件があるので、予定をだいぶ繰り上げてもらう。カミさんはオコだが、仕方ない。7時に朝食。これまた美味いバイキングで、食い過ぎる。昨日今日でだいぶ食って体重も戻ってしまっただろう。8時前にホテルを出て歩いて鬼怒川温泉駅に向かう。電車の時刻が迫っていて、途中からダッシュ。朝食べた飯が、危うく出てしまうところだった。電車で川治温泉駅へ。途中から土砂降りの雨が降り出す。なぜか倅はレインコートを、カミさんは傘を持っているのに、アタシには雨具が何もない。すなわちアタシだけがずぶ濡れになりながら荷物を抱え、駅から歩く。20分近く歩いて、おパンティまで濡れた頃、目的のトレジャーハンティングをやっているお店に着く。ここで、本格的な宝探し体験。金属探知機を使って、宝の地図に書かれたヒントを元に暗号を解く。何度も書くが、アタシだけびしょ濡れで金属探知機を振り回し、お宝探し。お店の店主さんが気の毒がって傘を貸してくれた。3回暗号の答えを持っていくが、外れる。ここでも店主さんが気の毒がって、お目こぼし合格させてくれて、砂の中に埋まっている鍵探し。残念ながら鍵は見つけられなかったが、参加賞に鉱石をたくさんいただく。ここも、クソ雨に濡れながらもすごく楽しかった。またチャレンジしたい。雨は止まず、びしょ濡れで川治温泉駅まで歩く。スペーシアの到着まで30分、ガタガタ震えながら待つ。カミさんはアタシのせいで予定より早く帰らなきゃいけなくなったので不満そう。申し訳ない。3時にうちに戻って、パスポートを探すが、やはり見つからず。パスポートの再発行には、戸籍謄本が必要で、謄本を取るためには世田谷区役所か北沢出張所で発行してもらう必要があった。ここでパスポート探しを続けるか、再発行の手続きに切り替えるか決断する。見つかる可能性より、見つからなかった時の不利益を考え、再発行に切り替える。すぐにうちを出て下北沢へ向かう。そもそもなぜ世田谷に本籍があるのかと言いますと、おそらく結婚した時の住所を本籍にしたんだな。本籍変更していないので、世田谷のままなのね。下北沢に着いたのが16時45分。出張所は17時まで。駅からダッシュして戸籍謄本を取る。間に合ってよかった。そのまま立川のパスポートセンターに向かって、紛失届と再発行の手続きをする。パスポート用の写真も撮るが、不安に苛まれるハゲたおっさんの不愉快な面。でもまあ、しょうがないやね。なんとか手続きも終わって、渡台の前日にはパスポートの再発行が間に合うことになった。いやー、よかった。安心した。まだ、色々手続きはあるのだが、なんとか算段がついた。いやー、今日は一日中探しものして、走りまわったなあ。