某日、朝、メダカの水換え。『足軽仁義』の4巻を読む。これは映画化したら金がかかるなあ。松田美智子著『仁義なき戦い 菅原文太』も読む。午後、昼寝。カミさんに怒られる。「あんた、珍しく帰ってきて家事も育児もやんないでお昼寝できるなんて、どういう神経してんの?」ごもっとも。アタシも自分が理解できません。夕方、実家へ。義弟のタイキや妹の悦子、キーチ、タカコとみんなで飯。夜、複数人から飲みの誘いや舞台のお誘いがあるが、金がねえので全てお断りした。さてさて、いつもながらにゼニがねえ。如何したもんか。

 某日、内装仕事で常盤。床の下地左官をやりたかったのだが、大工さんと設備屋さんが入っていて作業ができず。部分補修をして帰る。早く上がったので、飼い猫のジロを動物病院に連れて行く。最近、呼吸が荒く違和感があった。レントゲン撮影し、画像を確認すると、心臓が映らないくらい肺に水が溜まっていた。肺が水で圧迫されて呼吸がしにくくなっていたらしい。すぐに水を抜いてもらうが、ジロが暴れたため20ccくらいしか抜けず。利尿剤と抗生部質を渡される。月曜に心臓のエコーや精密検査をする。まさかそんな事態になっているとは思わなかった。ずいぶん苦しんだだろう。帰って観察していると、呼吸が苦しいからか横にならず箱座りしている。参った。歳も歳だし仕方ないのは理解しているが、猫の肺湿潤を調べると暗澹たる気持ちになる。

 某日、朝からカミさんと言い争い。ジロの健康状態や金がない事(動物病院の費用がバカにならない)、長い間の地方ロケでカミさんのストレスが限界まで来ていたのだろう。ただ、ずーっと小言を言われうんざりする。午前中、3人で島忠に買い物。ジロに4回利尿剤。午後、「倅と外で遊んでこい」と言われ、イライラしながら自転車の練習。補助輪を外してやらせるが、自分もイラついていて倅がかわいそうだった。いじらしく努力する姿を見て胸が痛い。夕方、浅草で岨手監督、嶺豪一くん、山下リオさんと「ととや」で飲む。途中でプロデューサーの西ケ谷さんも呼び出しに応えてくれて参加。楽しい宴だった。

 某日、朝、工房から神田の現場へ材料搬入。下地左官の準備だけして、うちに戻る。ジロを動物病院に連れて行き、精密検査。保定をするために、採血とエコー検査を手伝う。採血時、ジロの血管が細くなりすぎていて採血できずに苦労する。心臓が弱まって末端の血管が細くなっているらしい。エコー画像を見て、肥大性心筋症の可能性を伝えられる。より大きな病院で専門医にセカンドオピニオンをするか考えてくれと言われる。3時にジロを引き取る。肺に水が溜まる原因も肥大性心筋症が原因らしい。血液検査では意外にもそこまで悪い数値はなかった。心筋症は根本治療はなく、心筋症の薬、血栓予防の薬、利尿剤の投薬による対処療法。カミさんと話して、なるべくジロにストレスを与えずに秋津の動物病院で通院を選択。ジロは病院がストレスだろうな。呼吸も深くて早い。もっと早く気付けなかったのかと後悔。なるべく残された時間を苦しまずに過ごさせたい。ジロは生後1ヶ月くらいから世話をしていたので、いなくなる想像ができない。病後、さらに甘えて来るようになって、そばから離れない。夜、赤坂見附へ。日下監督とプロデューサーの安藤さんと会う。日下監督は23歳の俳優でもあり、安藤さんは松竹の社長秘書。今回の役は某監督を連想させるもので、その点について話し合う。あとは歌舞伎の話。テラと挨拶して帰る。

 某日、朝、ジロに投薬をすると泡を吐き出す。ど肝を抜かれて叫んでカミさんを呼ぶ。舌をチャムシャムしながら泡を吐き続けたので、正直、もうダメだと思った。どうやら薬が苦いらしく拒否反応だそうだ。呆然としていると、カミさんに「おめえがいても何にもできねえんだから仕事行け」とどやされる。今日も神田で内装仕事。応援で岡部ひろきくんが来てくれる。午前中は下地左官。ひろきはボンド塗り。午後から銅板を貼り出すが、乱張りで角が多いため、想像以上に時間を食う。夕方までやって帰る。うちでジロに夜の投薬をすると、また嫌がって泡を吐く。調べると、薬の苦味が拒否反応を起こさせるとのこと。カミさんに頼んで投薬用のカプセルを買う。カプセルに入れると味がしないので、泡を吐かないらしい。投薬の度にジロが嫌な思いをするのは本当に心苦しい。残り少ないかもしれない時間はなるべく嫌な思いをさせたくない。通勤時に足軽仁義シリーズ9巻『上田合戦』まで読み終わる。まだ続くらしいが、奥付を確認すると今年の7月出版らしいので、年内に新刊が出るかどうか。

 某日、ジロの投薬を今日から朝は利尿剤だけにする。嫌がるが吐き出しはしない。内装仕事で引き続き神田の現場へ。岡部ひろきくんが応援で来る。朝から銅板をはるが、乱張りで大判がなかなかつかえず、細かい作業。昼は立ち食いそば「天亀そば」で天ぷらそば大盛り。昭和感溢れる正しき立ち食いそば屋。厨房のばあちゃん2人もとぼけていて、全く愛想がなくて合格。なぜか天ぷらの他にきのこ天まで乗っけてくれた。亡き主人に似ていたのかな。6時まで銅板をはるが想像以上に進まず。帰るとカミさんが切れている。倅の就学準備に、就学前のこぐまの学校の手続き、猫の通院費、諸雑務による仕事を休まなきゃいけないこと、金のなさ。全てに不満でパンパンになっている。「役者やめてよまじで。内装の仕事だけにして」と恫喝される。泊まりで地方に行かれるのに耐えられないらしい。でも、俳優業がやっと楽しくなってきたのに。やめる気は無いよお。でも、カミさんがいつプッツンしちゃうか怖い。ああ、もうやだ。寝ちゃおう。

 某日、朝6時に伸也の運転する車に乗って、府中へ。班長さんと合流し、Aさんに会いに行く。今、全く金がないので、高速代を班長さん、ガス代を伸也に頼む。アタシは乗ってるだけ。道中、伸也の芸名の話で盛り上がる。「松浦しこりん坊」と、班長さんが思いついた「松浦なでなで」という芸名がいいんじゃないか?となる。ただ、なでなでは発音しにくい。いい名前だけど。10時前に目的地に着いた。Aさん、元気。現場話と最近の公開映画の話。親父のオススメ『足軽仁義』を読みたいとのことなので、面会終了後に差し入れる。一人3冊までの差し入れが可能だったので、3人でちょうど9冊入れた。本ももうほとんど読んだらしく『ドサ健ばくち地獄』をえらく褒めていた。これはいいタイミングなので、オススメの本を毎月3冊送ることにする。とりあえずは阿佐田哲也と色川武大かなあ。昼飯も班長さんが「うなぎ食う?」と誘ってくれたのに、伸也と二人で「焼肉の食い放題がいい」と言い、焼肉屋「平家」で食べ放題。肉質も良いし、カレーや煮込みも上手くて大満足。その後、断っての願いで清水港へ。でかい伊勢海老の人形をゲットするクレーンゲームのリベンジ。みんなに反対されたが、1000円だけやる。と、初めて1つカプセルをゲット!今年一番興奮したかもしれない。しかし、中身はでかい伊勢海老の入ったケースの鍵ではなく、しょぼいエビの消しゴム人形。結局今回もゲットならずだった。夕方、伸也に練馬まで送ってもらい、池袋の芸術劇場へ。玉田企画の『ヨン』を観る。森優作くんがよかった。芝居を観ながら「芝居ってなんだろう」とずっと考えていた。会場で東龍之介くん、メイクのなべ、鈴政げんちゃんと会う。演劇って難しいなあ。機嫌の悪いカミさんと顔を合わさぬよう、こっそり帰ると猫たちが壮大に鳴いてお出迎えするので、肝を冷やした。

 某日、内装仕事で常盤。本日引き渡し物件だが、什器のクリア塗装や床塗装、細かい設置物がいつも通り終わっていない。地獄。昼は周平さんの奢りで、中華「興隆菜館」でワンタン麺とチャーハン。金がなかったので、嬉しかった。タバコも買えない。周平さんに事情を話し、3万借りる。ありがてえ。20時半まで作業。クタクタになる。そのまま新宿に出て、しょんべん横丁の立ち食いそば「かめや」で冷やし天ぷら蕎麦。美味い。武蔵野館で『激怒』の登壇。川瀬陽太さん、高橋ヨシキさん、渋川清彦さんことキーくんと。キーくんに会うのも久しぶりだった。トークは今までで一番くだけた感じだったらしい。まあ、「一休」で飲んでるみたいな会話だったもんな。終わって、影山祐子さんも合流して「デュード」へ流れる。ヨシキさん、2作目を撮りたがっていた。キーくんともっと話したかったが、明日も仕事なので帰る。山手線が緊急停止して20分くらい閉じ込められる。なんだかなあ。風呂入って、洗濯物干して、日記を書くともう2時半。明日も6時起きか。請求書や井上さんに領収証を送る作業は明日やるだ。倅は大利根にお泊まりでいない。カミさんはお怒りモードで寝ている。おっかねえ家んナカだ。事務所から給料が入ったので、カミさんに振り込む。先月分と合わせて2ヶ月分。これで口座の残高が420円。金がねえなあ。仕方ねえけど。