某日、内装仕事で館山遠征。久しぶりの泊まり仕事。何しろあっつい。そして現場は解体が終わったばかりの廃ビル状態。いやー、マジかよ。とにかく手を付けられるところから作業。スロープの木工。昼飯は現場の隣にあるラーメン屋「おかもと」。電気屋の堀川さんが激押しするので、減量を無視していく。ばらなんラーメン(バラ肉となんこつという肉の塊)のチャーシューがのっている。濃いめの醤油ベースのスープに太麺がからまり、めちゃくちゃ美味かった!しかも760円なり!じいちゃんとばあちゃん二人で切り盛りしてるのでラーメンが出てくるのもゆっくり目だし、座敷はクーラーが効かないけど、それでも毎日通いたいくらい大満足だった。午後も木工作業。夕方、周平さんが合流し、館山旅館へ。シャワーを浴びて、駅前の韓国料理屋「すが家」へ。電気屋の堀川さんも合流し、周平さんと3人で飲む。スイッチの入った周平さんと老舗のフィリピンパブへ。フィリピンのおばさんとモンゴルのおばさんに囲まれて飲む。11歳の息子の話やドゥトルテさんやマルコムさんの話を色々と教えてもらう。おばさんや客のおっさんたちの体臭、やっすい香水臭、スルメや焼酎の匂いが入り混じったすっぱいナイト。宿に帰ってマジメに『福田村事件』の脚本読む。

 某日、内装仕事で館山。周平さんと朝マック。現場に行き、ひたすらスロープのブリック設置。空調服の充電が切れて地獄。昨夜充電したはずなのになあ。やっぱ、値段が安い事には理由があるんだな。汗だくでの作業でつらい。昼は再び「おかもと」でなんこつラーメン。なんこつって何だろうな。軟骨が入った肉塊の方言だろうか?自分が知らないだけなのかな。とにかく美味かった。夕方まで作業して、周平さんとスーパー銭湯「里見の湯」へ。ムッチャ混んでいて驚く。埃まみれの全身を洗うと、黒い汚水が流れ出てきた。駅まで送ってもらい高速バスで新宿へ。きっかり2時間。下北へ向かって、中村組『スウィートビターキャンディ』の舞台挨拶で「K2」へ。駅を降りると駅前がだいぶ変わっていて面食らう。時間があったので東龍之介くんとお茶。東くんの監督作のDVDをもらう。新しい映画館「K2」も初めてで迷う。近くに屯していた映画おじさんに教えてもらった。「K2」は内装もシンプルで清潔感がある。このくらいの規模感で話すのが気楽でいいや。終演後、ファンの方から写真をいただく。ありがてえなあ。小川あんちゃんと中村祐太郎監督と飲みに行きたかったが、終電もあったのですぐに帰る。

 某日、朝、倅を保育園に送る。昼、森組のセリフをレコーダーに吹き込む。やっと手を付けたな。今回の方言は千葉弁。結構訛りがきつく、しかも栃木弁と似ていて手強そうだ。吹き込んで安心したのか昼寝してしまう。ここがアタシのダメなとこなのよお。ヤンなきゃダメなのに、分かっていても寝ちゃうんだなーコレが!うまいこといかねえなあ。夕方、倅を迎えに行って、新宿はケーズシネマへ。いまおかしんじ監督『あいたくて あいたくて あいたくて』の上映後登壇。初号に行けなかったので上映も観る。いやー、やっぱいまおかさんの映画っていいなあ。やさしいんだよ。みんな出て来るひとが優しい。これはいまおか映画に共通していることだと思う。山本英夫さんの撮影もよかったなあ。俳優も皆のびのびやっていて最高だった。上映後、いまおかさんと佐藤宏さんとおしゃべり。終演後、アルゴの熊谷さんといまおかしんじさん、水澤紳吾さん、守屋文雄さん、木村知貴さん、西山真来さん、佐藤宏さんと飲みに行く。2軒目「デュード」で山本政志さん、ケーズ家田さんも加わる。政志さんと飲むのは初めてで、最初構えてしまったが、話し始めたら止まらなくなってしまった。アブねえ話から始まり、小川紳介さんのこと、若松さんのこと、空族やインディーズ映画のことと話題に事欠かない。魅了されてしまったなあ。政志さん、人たらしだわ。朝まで行きたかったが、自制して終電で帰る。

 某日、午前中、四谷で担当マネージャーさんの井上さんと待ちあわせて、内田英治・片山慎三監督『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の初号試写。終映後、速攻席を立つ。片山さんにも電話して意見する。マネージャーさんの井上さん、内藤正記さんと3人で飯を食って、お茶。その後、登戸に行って日焼けサロンを40分。アタシは内装仕事でもTシャツ・ビーサンで作業するため、半袖型に日焼けしてしまっている。森組の時代劇でTシャツ焼けもかっこ悪いし、全体を焼いてなじませるのだ。登戸から府中まで、セリフを読み上げながら歩いて帰る。夕方、保育園に倅をお迎え。今日は園児みんなで名栗川に遠足。夏のキャンプもコロナで中止。そして先日まで陽性者が多数出て登園自粛だったので、子供たちは皆、遠足を楽しみにしていた。5時過ぎに帰って来て、満足そうだった。遠足に行けてよかったなあ!

 某日、午前中、倅を連れて調布へ。調布の映画館で奥野瑛太くんと奥野ジュニアと待ち合わせて、一緒に『ミニオンズ フィーバー』を観る。久しぶりだったからか、奥野ジュニアは恥ずかしそうだった。映画が終わって、水澤紳吾さんと水澤ジュニアも合流してマックで昼飯を購入。公園で食おうとした矢先、カミさんからメールで「保育園で発熱者が3人出た。一人は陽性。倅と同じバスだったから帰った方がいい。」との連絡。慌てて水澤さんと奥野くんに理由を話して帰る。倅も残念そうだったが、なんかあったら申し訳ない。特に症状があるわけではないので、倅は帰りの電車内でずっと文句を言っていた。夜、DVD『実録昭和の事件』から『吉展ちゃん事件』を観る。泉谷しげるさんの芝居はとても参考になった。続けて『深川通り魔殺人事件』も観る。やっぱ大地康雄さんのキレッキレの芝居はたまらない。

 某日、午前中、保育園からメールで、発熱者が4人に増えたとの連絡。午後、再び保育園から「発熱者が7人になったので、クラスターだから倅も濃厚接触者に該当する」と連絡がある。参ったなあ。夕飯を食って、倅の熱をはかると37度7分。「ああ!」とカミさんが叫んだ。ついに来たか。コロナウィルスの簡易検査キットを使うと、うっすらだが陽性の線が見える気がする。明日から家族でキャンプの予定だったのだが、こりゃあダメだ。すぐ水澤さんと奥野くん、マネージャーの井上さんに連絡する。本当に申し訳ない。カミさんとキャンプのキャンセルと、陽性だった場合の対応を相談する。自分たちの感染対策も可能な限りするが、同じ空間で過ごしている以上、時間の問題だと思うなあ。

 某日、昨夜は倅の熱が9度2分まで上がった。朝、まだ8度5分。本人は結構、元気そうだが熱でフワフワしている。ラリってるみたいでかわいそうだ。病院もお盆明けの月曜日で、予約が取れそうにない。カミさんが頑張って、どうにか近所の小児科の予約を取ってくれた。倅は検査で鼻に綿棒を突っ込まれるのが嫌で、泣き叫んでいる。「病院行ったら、ゴリが好きな本買ってやる」と約束し、倅とカミさんは病院へ。アタクシは所沢のツタヤブックスで、倅の好きなサバイバルシリーズを3冊買う。ついでにカミさんから買い出しを申し受け、それもこなす。帰ると、倅はコロナウィルス陽性だった。倅は疲れ果てたのか寝ている。夕方、食欲が出た様子でおかゆとプリン、アイスを食う。食えるなら良かった。でも普段あれだけ寝ない倅が、ずーっと寝続けているのだからそれだけキツいんだろう。熱も下がらず。倅が陽性だってことは、ほぼ確実にカミさんもアタシも感染する。しばらく撮影がない事が不幸中の幸いだと思わなきゃだ。夜、タイトルも忘れたが、街が大雨で洪水が起きて現金輸送車が襲われる映画を見た。モーガン・フリーマンが出ていたのだが、なぜこんな駄作に出たのか?モーガンは最初悪役で出て来たが、結局主人公の仲間になって、やっぱなあと思った。こんな映画を観るより、セリフやんなきゃだけど、エンジンがかからず。明日こそザックリでいいのでセリフを入れる。

 某日、倅は熱が下がる。ただ、まだダルそうだ。そして今度はカミさんが熱発。やはり39度近くまで上がって、頭痛、筋肉痛にやられている。おそるべき感染力。カミさんが、アタシだけは感染させまいと隔離を試みるが、結局あまり意味はない。二人の看病ができるのはアタシだけなので、なんだかやる気が出てしまう。「非常時にだけ、ホンキを出すとこがムカつく」とカミさんに言われる。午後、所沢にPCR検査を自費で受けに行く。これから撮影が続くので、仕方がない。夕方、おかゆを作って倅に食わせる。カミさんは全く食えないそうだ。夜、喉が痛い気がする。そして鼻水が出る。これが前触れでないことを祈る。セリフ、全くやれない。ただ、加賀組もやることになったのでさらにセリフを覚える量が増えた。30日は山下組『B』、31日が兵庫で『ガンニバル』、1日から森組『福田村事件』で京都。7日まで京都で撮影し、8日に加賀組『C』で川越。9日からとんぼ返りで京都・兵庫の森組『福田村事件』。これが16日までの予定。さあ、やってやる!と気合いは入るが、結局寝てしまう。