某日、祖父がコロナで入院していたのだが、本日退院。足腰の問題もあるので、お袋と共に多摩北部病院へお迎えに行く。足腰も弱くなっていたが、痴呆が進んでいた。うちに着くと「家が一番いい」と言う。やっぱそうだよなあ。お袋が午後、書店に出るので、その前にむっちゃんを動物病院に連れて行く。昨日、排便時に苦しそうに鳴いて血便が出たとのこと。嘔吐もあり、餌を食べない。獣医さんに症状を伝えると「季節性の胃腸炎が流行っているので、その対処をしてみます。3日経って症状が治まらなければ、精密検査」と言われる。吐き気どめと抗生物質(腸内菌をリセットするらしい)を注射。脱水症状があったので点滴もする。丸薬で吐き気どめ、善玉菌を処方される。病院から帰ると、ちょっと餌を食う。2年前は6キロあったが、今日は4・4キロだった。まあ、16歳か17歳だし、仕方ないわな。アタクシのベッドで寝たのを見届けて、再び実家へ。じいちゃん、トイレにオムツを流して詰まっていた。疲れたのか寝てばかり。夕方、お袋が戻ったので帰る。 


 某日、内装仕事で清澄。Cトップ左官。一人でひたすらやる。右肩が上がらなくなる。疲れた。夜、パソコンで中村祐太郎監督『スウィートビターキャンディ』を観る。明日、中村祐太郎監督と対談しなきゃならん。映画は、池田さんの撮影に大きく助けられているな。シナリオも忘れていたので新鮮に観れたが、石田法嗣くんの佇まいがとても良かった。アタシは演出とはいえ、やり過ぎてる。うー、恥ずかしい。 


 某日、清澄で内装仕事。昼まで豪一が手伝ってくれて、左官作業。昼飯は定食屋「宝船」で鯖味噌定食。美味かった。老夫婦が経営している小さな店で、雰囲気も味も値段もよかった。残業して左官を終わらせ、新宿へ。紀伊国屋書店でP+Dbooksの色川武大著『オールドボーイ』『小説 阿佐田哲也』『夜風の縺れ』、火野葦平著『小説 陸軍』上下巻を購入。文庫で色川武大著『私の旧約聖書』も購入。このP+Dbooksのシリーズってありがたい。絶版本を安価に再発してくれている。渋い作家の渋い作品を出してくれているので、シリーズが長く続いてくれる事を切に願うのです。19時から中村祐太郎監督と『ビタースウィートキャンディ』のパンフレット対談で祐太郎、メイキングの横山くん、進行の小峰くんと牛丸さんのバーでおしゃべり。収録中にK’sシネマの家田さんが来店。収録後に家田さんと飲みながら色々話す。「コロナ保障で公金を投入しろとか、ミニシアターエイドとか色々あるけど、結局、お客さんが映画館に来てくれたら解決するんだよ」と言う家田さんの言葉に打たれた。映画館の本音だよな。終電ギリギリで帰宅。帰ってからパソコンで『シネマスコーレを解剖する』を観る。 


 某日、清澄で内装仕事。床のPタイルを剥がして、ノリをスクレーパーでこそぐ。地味だがキツーい仕事。昼まで豪一が手伝ってくれる。昼飯は中華屋「泰山」でナス味噌定食。ナスを素揚げしてから炒める一手間があり、凄く美味い。絶賛なり。スクレーパーを30分ハツると手のひらに豆ができる。腰も痛むし、最悪だ。仕事終わりで、渋谷ユーロスペース1階のカフェのロフトへ。『シネマスコーレを解剖する』上映記念イベント。スコーレ支配人の木全さんを追ったドキュメンタリーで、スコーレの関係者が多く集まる。大西信満さんと会って、おしゃべり。第一部のトーク中、映画おじさんたちと外で話していて、出トチリする。奥田瑛二さんの話に全て同調する登壇者に違和感を感じるし、進行役の祐太郎の無茶振りに振り回される。なんも面白いことを言えなかったし、嚙みつけもしなかった。まあ、「映画館で映画を観てください」とは伝えたので、最低限は努めたか。仁科貴さんや西本竜樹さんが来場してくれていたので、おしゃべり。会場を出て、大西さんと「山家」で飲む。反省会。大西さんから「マツーラは感情が顔に出ちゃうから気をつけな。あと、頭を触る癖があるけど、目立つからやめたほうがいい」と言われる。「なにが目立つんだ!滝次郎!(大西さんの旧芸名)」「ハゲがだよ!」「ハゲは武器だよ滝次郎!」久しぶりに不毛な会話ができて楽しかった。終電まで飲んで帰る。『ガンニバル』明日の撮影のスケジュールが届き、驚く!予定シーンが変わっていた。セリフに手をつけていなかったが、諦めて寝る。ちくしょー!予定をコロコロ変えるなよな!っていうか、セリフくらい入れておけって話か、、、。 


 某日、片山組『ガンニバル』撮影で始発で新宿。セリフは移動中にひたすら念仏して覚える。長い期間の撮影でトビトビの出番。しかもセリフが微妙な量だとなかなか全部を入れられない。昨夜、寝てしまったが、それでもなんとかなってしまう。若い頃はそこまで図太くはなくて、バイトを休んでセリフを練習したりしていたが、今そんなことをしていたら家にゼニを入れられなくなる。新宿からロケ現場へはメイン車で片山さんと一緒だったので色々話す。現場で衣装のモモさんから「片山さんが疲れているから、励ましてやってよ」と言われる。撮影が始まって、いざ動くと色々齟齬に気付く。今シーズンの脚本だと途中までしか書かれていないのだが、その後の展開を考えると、「後藤家」との対峙の仕方に迷う。自分の役は「後藤家」のスパイとして「村」にいる設定だが、今後「後藤家」対「村」になった時にどういった動きをするのか不明だ。なので編集で色々やれるように考えて芝居をした。自分の寄りを撮る時は、やり過ぎなくらいやってしまったが、片山さんならそれも編集でなんとかしてくれるだろう。ベースで片山さんの笑い声が聞こえて一発オッケーだった。でももう何パターンかやりたかったなあ。昼飯は吉岡里帆さんがカレーと焼肉弁当を差し入れてくれた。美味かったなあ。こういう差し入れができる俳優になりてえなあ。 


 某日、久しぶりにゆっくり寝た。ここ数日あまり寝られなかったので、辛かった。自分は睡眠を大切にしているので、なにか問題があってもジタバタしないで寝る。それで先送りにできる事なんて大した問題じゃないから、寝ないでやる価値はない。「セリフを覚えなきゃ」って時でも、自分は睡眠をとる。寝なきゃ撮影時に頭が働かないし、火事場の馬鹿力じゃないけど必死になれば移動中の時間にやればなんとかなる。まあ、それはセリフを覚えたって状態で、芝居としてセリフが言えてる状態じゃないんだけど。起きたら、メダカの稚魚に倅が大量の餌を入れてしまっていて、本人は反省していたのだがそれを知らせなかったカミさんにブチ切れてしまった。まだ生きていた残りの稚魚を別の水槽に移す。だいぶ死んでしまったが仕方がない。隣の空き家の2階の戸袋に巣を作ったムクドリの雛が孵ったらしく、ピーピー鳴いていて嬉しい。今年はブロック塀に巣を作っていたシジュウカラが来なかったので、ムクドリの成長が楽しみだ。昼寝して起きたら4時過ぎ。倅を連れて実家に顔を出す。じいちゃんがいつものように倅に小遣いをくれたが、いつもなら名前を書いてくれたのに、今日は無記名だった。お袋が言うにはだいぶ痴呆が進んだらしい。やっぱ、入院が原因なのかなあ。夜、溜まっていた日記を書く。日記を書くことが日々の出来事の整理につながっているのだろうか?