某月某日、門前仲町の工房で内装仕事。通勤読書で乙羽信子著『どろんこ半生記』を読むが抜群に面白い。ここまで赤裸々に書かれると、新藤兼人さんも本望だろうと勝手に思う。午前中、嶺豪一くんと銀座にソファーを引き取りに行く。道すがら『黙黙』の話。傑作だと思う旨を伝える。昼飯は門仲のスリランカ料理店「タップロボーン」へ。アジア料理が食いたいと彷徨った結果、偶然入った店だったが、メチャクチャ美味かった。ワンプレートカレーというランチを頼む。ココナツカレーとチキンカレー、そこに野菜の添え物が3種。ココナツの福神漬けみたいなやつが凄く美味い。カレーもスパイスがバチバチで効いていて本格的だった。いやー、大満足。客が少ないのが不思議だったなあ。また必ず行こう。ウェブで連載していた『砂を噛む』が終わってからも、日記を書く習慣がついた。時々かったるいこともあるけど、日々を記録することって大事だと気付けた。今後、特に表に出す予定はないが、せっかく書くなら人の目に触れることを考えてなるべく読むに堪えるものを書こうと思う。夜、カミさんと倅の話。倅は好きにやっていけばいいのだが、その可能性を潰さないようにしてあげたい。均一化を受け入れず、テメエの人生を面白おかしく生きて欲しい。 

 某日、内装仕事で工房作業。溜まりに溜まった廃液処理。午前中は工房内の片付け。現場が終わるごとに資材や道具が運び込まれ、現場が続いてしまうと誰も片付けができずに、廃材やゴミが溜まってしまう。毎回嫌になるが、やらねば作業スペースすら確保できない。昼飯は再びスリランカ料理店「タップロボーン」。今日はカレーとビーフンのセットにした。昨日、豪一が褒めていたのだ。確かに美味かったが量が足りないなあ。ワンプレートカレーにすればよかった。午後から、廃塗料や溶剤、ボンド等を一斗缶に貯めて封印。廃液業者に引き取ってもらう段取りをする。密室でひたすら油性塗料やボンドを扱っていたため(防毒マスクをするも)ラリる。仕事終わりでせんがわ劇場へ。ほろびて『心白』を観劇する。グッときた。最後に俳優全員で町を再建する演出に痺れた。希望を抱かせるし、映画にはできない演出。俳優が皆よかったなあ。特に不勉強で申し訳ないが、加瀬澤拓未さんがよかった。古舘さんを彷彿とさせる芝居だったし、自分とルックが似ているから余計気になった。終演後はすぐに閉館されてしまい誰とも話せず。残念。コロナで演劇界も激変してしまったなあ。 

 某日、仕事を休んで倅と上野へ。国立科学博物館に行く。倅の要望で「ポケモン化石博物館」展を見たかったがチケットが完売。特別展の「宝石展」に入る。コロナ対策で事前予約制だったが、クレジットカードを持てないアタシはチケットが買えなかった。しかし、現金精算の当日券で運よく入れた。「宝石展」バカみたいに人が多い!キャーキャー騒ぐおばさま軍団に囲まれて辟易とし、さっさと常設展へ移動。地球館から観ていく。倅は動物剥製の軍団に圧倒されて、はしゃいでいた。化石や鉱物に興奮するかと思ったが、意外に反応せず。自分の方が興奮して、写真を撮るのも忘れていた。忠犬ハチと南極圏ジロの剥製や、北極クマ、ヒグマの剥製に感動した。倅は弥生人の人形に夢中で「キャー!オチンポ出てる!」「ゴリのチンポよりでっかいねー」と大声で言うもんだから恥ずかしかった。昼はクジラカフェでハヤシライスとオニギリ。日本館も巡るが、2時ごろから「足が痛い」というので帰る。帰る前にギフトショップに寄ると、倅は自分へのお土産を悩みに悩んでいた。クリスタルやトパーズ等の鉱石が売っていて、何度も悩んでは結局、水晶を買っていた。科博、面白いなあ。これだけ楽しく勉強できる場所ってそうそうない。またすぐ来たいなあ。 

 某日、工房で内装仕事。豪一が遅刻。二人で資材を取りに回ったり、什器を納めに行く。遅くなった昼飯は「富水」でアナゴ丼。メチャクチャ美味し。午後も作業して帰る。夜、豪一から電話。遅刻をだいぶ反省したらしく、禁酒のカウンセリングに行くと言う。本人がそう思うなら、行った方がいい。飲んで暴れて無頼生活が映画人としてカッコいいと思っていたが、現在はそんな時代じゃないし、許されなくなっている。豪一には映画監督としてなるだけ多く作品を残して欲しいから、不祥事で撮れなくなったら本人にとっても映画界にとっても不幸だぜって話をする。 

 某日、朝、久しぶりにゆっくり寝る。1度起きたが、猫たちとイチャこいていたら二度寝。午後、加藤拓人組『almost-people』の衣装合わせで世田谷のコギトワークスへ。加藤くんは演出部として荒木組や岩井組、前田組で一緒だった。アタシはすごく信頼している演出部。現場で叩き上げの演出部が監督作を撮る事が何より嬉しい。加藤くんは今回、オムニバスの短編を監督する。やー、加藤組はすごく楽しみ。衣装田口さんを始め、ほとんどのスタッフが顔見知りで安心する。用意された衣装もさすがだった。ありがとう田口さん!サクッと終わって、橋野純平君とお茶。午後、コギトに戻って主演の井ノ脇くん、木竜さん、(アタシが呼び出した)川瀬さん、橋野くん、Pの山田さん、関さんと飲む。邦画馬鹿話。夜、制作の宮路くんに登戸まで車で送ってもらって、帰る。


 某日、朝から土砂降り。M澤さんと7時に新秋津の駅前で待ち合わせて、Aさんに会いに某所へ。伸也の運転でおっさん3人旅。前日も深酒していたらしいM澤さん。「駅まで帰ったのは覚えてんだけど、起きたら救急車の中だったんだよ」「一体、どうしたんですか?!」「やあ、多分外で寝ちゃっててさ、心配されて救急車呼ばれたのかも。大丈夫って伝えて帰ったよ。ホント税金の無駄だよ」「いやいや、税金の心配より自分の心配してくださいよ」「マツーラ、俺も仕上がってきたなあ」もう、M澤さんといい豪一といい、心配になる。ホントいい俳優なんだけど。それだけ自分を追い詰めているのだろうか。その流れで、伸也にいかに知り合いが酔っ払うと大変かっていう話をする。O西さんとI谷さんがベロベロで、2軒目の飲み屋に向かっていた。途中、I谷さんがO西さんの防寒ブーツから歩くたびに液体が溢れ出しているのに気付く。意気揚々と2軒目の店に入り、そのまま座敷に上がろうとするO西さんをI谷さんが必死に止めた話。豪一のせいでアタクシがM澤さんの●●を××することになった話。I谷さんが、、、。出るわ出るわクソ話。さすがの伸也も驚いていた。10時半くらいに某所に着いて面会。Aさんは相変わらず元気そう。まず連絡事項で『麻雀放浪記外伝』と『ドサ健ばくち地獄』の差し入れを頼まれる。O下さんが面会に来て「マツーラさんがAさんはお菓子食って太ったって言ってましたけど、痩せましたよね」と言ったらしい。俺はお菓子をあんま食わなかったAさんが、お菓子の日を楽しみにしてるって話したけど、尾ヒレがついてるなあ。参った。あとはいつもの馬鹿話。Aさんに会うと不思議と元気をもらえる。昼はM澤さんが奢ってくれたので「熟成焼肉いちばん」へ。M澤さんが驚くくらい食う。食べ放題のクズ肉ではなくて、肉がしっかりしていてホント美味かった。熟成ハラミが絶品で何度も食う。土砂降りの高速道路は怖かったが、楽しい1日だった。