某月某日、午前中、倅と新所沢のレッツシネパークで『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』を観る。倅が公開を楽しみにしていた映画。その後、3階のゲーセンで遊ぶ。倅がクレーンゲームにはまっている。自分も熱くなって2千円突っ込む。マックで昼飯。どこの家もそうだろうが、カミさんはあまりこういう食事を好まない。しかし、ファストフードにはファストフードの美味さがあるのだ。倅はアタシと外出すると、マックや富士そばが食えるので楽しみらしい。「今日はチーズバーガー食いたい」だの「富士そばのたぬきソバ食いたい」と要求してくる。午後、実家に行って、伸也と倅とスーファミ。夜、請求書書いたり雑作業。スケジュールが色々出て来て、井上さんと電話。水澤紳吾さんから入電。先日の飲み会の記憶がないらしい。「2軒目からは寝てしまっていたので自分が三鷹まで送りました」と伝える。三鷹まで帰るとどんなに酔っ払っていても、自宅に着くらしい。先日はベロッベロの泥酔状態で心配だったのだが、水澤さんの帰巣本能おそるべし。
某日、片山慎三組の『ガンニバル』のセリフにやっと手をつける。今までスケジュールが決まらず、全くやる気が出なかった。拘束日数に対するギャラの面でも不満があり、ようやく送られて来た決定稿も開いていなかった。とにかく気合を入れようと、頭をバリカンで坊主に刈り上げる。「カフェ・ド・クリエ」でセリフ。しかし、原作も読んでいないし、シナリオも物語の途中までしか描かれていない。全体の流れも何もわからないので手探り。今回のドラマは、評判が良ければ来年に次のシーズンを撮影する予定らしく、シナリオも中途半端なところで終わっているのだ。原作を読めばいいかもしれないが、原作と脚本は別物であるという考えから、なるべく原作は読まないようにしている。午後、セリフの吹き込みをやろうとしたが、集中スイッチが切れてしまう。こういう時は無理をしない。やったところで集中できていなけりゃ時間の無駄。最近やっと気付けた。セリフを寝かせる時間や一度全てを忘れて新しい視点を持つことも大事。それには時間をかけていいのだ。全て放り出して、Aさんに手紙を書く。夜、水澤さんから入電。
某日、倅がカミさんの実家にお泊まり。義兄が車で迎えに来てくれる。カミさんも行くはずだったのだが、直前で一人でお泊まりさせることに。アタシは吉祥寺に向かい、吉祥寺オデヲンで、マイク・ミルズ監督『カモン カモン』を観る。傑作だった。母親と父親の違いを感じてしまう。低予算であろう作品ながら、圧倒的な豊かさがあった。素晴らしい。打ちのめされながら街をふらつき、ブックオフでDVDを買う。ナイト・シャマラン監督『アンブレイカブル』と『ミスター・ガラス』、クリストファー・ノーラン監督『バットマン ビギンズ』、『ダークナイト』、『ダークナイト ライジング』、ウォルフガング・ピーターゼン監督『ネバーエンディング・ストーリー』、ジョージ・ミラー監督『ネバーエンディング・ストーリー2』、アレハンドロ・イニャリトゥー監督『レヴェナント』、ターセム監督『ザ・セル』。カネがねえのに後先考える判断力を失っていた。再びオデヲンに戻って、片山さんオススメのシアン・ヘダー監督『コーダ あいのうた』を観る。オリジナルよりまとまっていて上手い。主演のエミリア・ジョーンズが可愛かった。泣かせの演出もうまいが、それに陥らずに作品を成立させた『カモン カモン』が抜群に良かったので、片山さんほど感銘を受けなかった。続けてケネス・ブラナー監督『ベルファスト』今日みた3本に共通していたのが他者への理解というテーマ。いい映画だったがやはり『カモンカモン』と比べてしまうと、、、。それだけ圧倒的だった。帰りに古本屋に寄って、結城昌治著『志ん生一代』と、赤堀雅秋さんオススメの鈴木忠平著『嫌われた監督』を購入。ああ、ゼニが足らねえ!
某日、カミさんと所沢で買い物。倅がお泊まりでいないので、久しぶりに2人っきりの外出。アタシ用にそば殻枕を買ってもらう。「ブックオフ」でアンリ・ヴェルヌイユ監督『シシリアン』とスティーブン・ソダーバーグ監督『さらば、ベルリン』を買う。どちらも激安だった。午後、カミさんとネットフリックスで『パラサイト』観る。地下おじさんの「リスペクト!」で爆笑してしまう。これは何度観ても笑う。こうやって二人だけで映画を観るのも久しぶりだ。夜、『アンブレイカブル』観て、続けて『ミスター・ガラス』を観かけるが、間に『スプリット』があるのに気付いて途中でやめる。代わりに『レヴェナント』観る。傑作!劇場で観なかったことを後悔する。
某日、午前中、倅が育てているオタマジャクシが後ろ足が生え始めたので、水槽に陸地を作る。ちいさなやつ(おそらくアマガエル)は一丁前に尻尾も消え始めて、カエルっぽくなっていた。メダカはまだ卵を抱えたまま。義兄に送られて、倅が帰ってくる。すっかり1人でもお泊まりもできるようになった。午後、倅と実家に行ってキャッチボール。弟の哲也にも遊んでもらう。夕方、浅草へ。片山組『ガンニバル』のための楽器練習。初めて抱えオケという太鼓を叩く。譜面も読めずにわけわからんまま、こんなモノですよって感じを掴む。師匠が若くて優しい方で助かった。楽器は苦手だが映る以上ちゃんと習得しないとならん。バチをもらって個人練習することに。しかしこういった楽器練習の日々もギャラには換算されていない。全く、ギャラと拘束が合わねえなあ。ああ、いつになったら日本の撮影システムが改善されるのだろうか。こんなんじゃ、才能ある若い奴は映画界にやってこねえぞ!
某日、午前中、カフェドクリエで『ガンニバル』のシナリオを読み込む。帰ってセリフの録音をせねばと思うものの、やる気が出ない。今回は全編方言で、苦労しそうなのがわかっているからだろうな。カミさんのベッドでゴロゴロする。何もせずに昼寝するなら、映画でも観た方がいいなと思ってDVDで『バットマン ビギンズ』と『ダークナイト ライジング』観る。彼らの労働環境やカネのかけ方が羨ましくなる。夕方、倅を保育園にお迎えに行く。倅が「(若い保育士さんの)Hちゃんのおまたをパンパンだぞ。羨ましい?」と聞いてくる。正直に「羨ましいぞ!」と答える。「オレ、見るだけで女の人のパンツの色がわかるんだ」と告白される。すげえな。倅は超能力者かもしれない、あまり世間の役に立つ能力じゃなさそうだが。「Hちゃんは黒だったな」と教えてくれる。羨ましいを通り越して、悔しい。夜、実家に集まる。弟の哲也と哲也のカミさんのゆかちゃんが来ているので、みなで飯。哲也が大黒屋のうなぎをおごってくれた。俺がカミさんにハエたたきで引っ叩かれまくっている動画を見せて、浮かれ気分の新婚さんに、結婚とはなんたるかを教えてやった。理想と現実。早めに気付いた方が幸せだよな。
某日、浅草で内装仕事。午前中、グレーチングの穴をモルタルで埋めてならす。午後、新規壁のシートップ左官。夕方、1階の床を黒シャブ塗装。昼抜き。ゴールデンウィークで食いまくったので、体が重い。通勤読書で結城昌治著『志ん生一代』を読んでいるが、めっぽう面白い。これを朝ドラでやったら受けると思う。やりてえなあ。帰りに浅草駅の中古DVD屋で三池崇史監督『岸和田少年愚連隊 血煙純情編』とソイ・チェン監督『ドッグ・バイト・ドッグ』を購入。どちらも250円で叩き売られていた。