某日、市川で除草作業。水澤さんと駅で落ち合い、現場へ向かう。2週間前に除草したのにもう生えまくっている。おそるべき植物力。27度まで上がる気温の中、かがんでひたすら手作業で雑草を抜いていく。芝の中にも様々な植物が混在し、選定しながら抜く。ご想像の通り腰が痛み、ゴリラ歩きになる。暑くて日に焼けるが、やっぱ好きな作業だ。集中すると無言で作業してしまう。夕方までやって、帰りに「テンヤ」でオールスター天丼と普通の天丼を奢っていただく。めちゃくちゃ美味かった。水澤さん、ごちそうさまでした!夜、『ガンニバル』のスケジュールがいまだに届かず、井上さんに「こんなだったら降板したい」と伝えるが、なだめられる。予定が決まらないと内装仕事にも入れないし、生活が成り立たない。出演者が多くてスケジュールのやり繰りが大変なのはわかるが、なんとかして欲しい。 


 某日、朝、倅を連れて実家へ。伸也の友人の建築デザイナーの建てた家を見学しにいく。なかなかモダーンな家だった。床屋に行くがいっぱい。しかたなく時間つぶしに本屋へ。保阪正康著『時代の反逆者たち』を購入。右肩が上がらないので指圧を1時間受けるが、おばさん指圧師のやる気がなくて残念。まあ、疲れてたんだろうな。再び床屋へ行くが、まだ待ちの客がならんでいた。うんざりしてうちで自らバリカンで苅る。18ミリ。予定より坊主になってしまったが、これも縁だ。片山組もこれでいこう。夕方、安楽・片山監督の『まっぱだか』をパソコンで観る。主演の柳谷さんからコメントを頼まれたため。コメントをしばらく悩んで書き上げる。夜、岡本喜八監督『激動の昭和史 沖縄決戦』をDVDで観る。日本の戦争映画で一番の傑作だと思う。これを観て、どんな理由があろうと戦争に賛成する人間はいない。沖縄とウクライナを思う。 


 某日、午前中、「カフェ・ド・クリエ」でセリフ。一夜漬けならぬ、半日漬け。漬けてないからただの半日か。こんな仕事の仕方をしていたらいかんと思うが、何しろ内装仕事が忙しすぎた。午後、名テレのドラマで1シーン撮影。権野組のチーフ助監督をやっていた畑中さんが、今作の脚本と1話監督。お祝いを込めて出演。ただし畑中監督の回ではなく、倉木監督回。午後、中山駅近くのロケ場所へ。スタッフは畑中さん以外、誰も知らない。映画なら誰かしら知り合いがいるのに畑違いなんだなあ。ただ、水橋研二さんと窪塚俊介くんと会えた。俊ちゃんとも水橋さんとも久しぶり。俊ちゃんとは芝居も一緒。嬉しかった。続けてりゃあまた会える。移動で1時間半、往復3時間だったのに撮影自体は15分で終わった。夜、中村祐太郎くんに頼まれて『シネマスコーレを解剖する。~コロナなんかぶっ飛ばせ~』をパソコンで観る。スコーレ支配人の木全さんのドキュメンタリー。 


 某日、内装仕事で浅草。1階のエイジング塗装。7尺脚立上での作業で、登り降りだけでも疲れる。1日中塗装作業で終わる。チーズハウスの安藤さんがステンレスドアの取り付けに来る。安藤さんの工房は東所沢。所沢インターのそばにあった屋台のラーメン屋(現在はない)の事を聞いたら、知っていて、移転した事を教えてくれた。菊屋のじいちゃんとよく通った店。とんこつラーメンで夜中までやっていて、じいちゃんちに泊まりに行くと、夜食によく2人で行ったのだ。ネギラーメンの有名な店で俺とじいちゃんは「インターラーメン」と言っていた。うわあ、移転してたのか。当時は屋台で、関越を往復するトラック運ちゃんの溜まり場的店だった。「関越ラーメン 仙龍」という名前らしい。行かなきゃ!ちなみに安藤さんはじいちゃんのやっていた「菊屋うどん」にも通っていたらしい。「菊屋潰れてショックだったよお」と言われ、複雑だった。夜、やっと片山組のスケジュールが来た。まだ仮らしい。しかも色々もめているみたいだ。地方ばっかでほとんど前乗り。ギャラの額も決まったが、拘束日数は多い(実質4ヶ月拘束)のに、オイオイって値段だった。往復の移動日や撮影日の拘束日数で考えたら内装仕事の方が全然儲かるじゃねえか。しんどいよお。撮影はやりたいけど、参加すればするだけカネに困るって、どうなってるの?? 


 某日、浅草で内装仕事。消防検査が入るので朝イチでゴミ出しと片付け。検査の間、守屋さんと浅草をぶらつく。花屋敷の黄色いタワーを見た守屋さんが「せっかくだから乗ろう」と言う。偶然二人ともペアルックの様に白いTシャツを着ていて、昼間からキャッキャしながら花屋敷に入るオッサン2人は、花屋敷のスタッフの人にどうみえたのかしら??目的のタワーは廃止されたらしくもう乗れなかった。しかたなく回転しながら左右に揺れるミニジェットコースターに乗る。元々この手の乗り物は苦手だったのだが、想像以上に怖かった。アトラクションの恐さもあったが、「ボルトが錆びてるけど点検してるのか?レールの先端に車止めが付いてないが大丈夫か?」といった設備に対する心配の恐さが強かった。周りの建物お屋根が極めて近いのでそれも怖い。隣の守屋さんがずーっと、聞いたことない声で「あー!あー!」と悲鳴をあげていて、途中から笑ってしまった。現場に帰ると、再検査。そりゃそうだ。周平さんがみなを天丼屋「天彩」に連れていってくれた。メガ天丼を頼む。タマゴの天ぷらやあなごがめちゃ美味かった。夜、新橋で赤松利市さん、川瀬陽太さん、橋本つむぎさんと立ち飲み屋で飲む。帰りにバー「曜」に寄ってお借りした本を返したかったが、1軒目が長くなってしまい果たせず。赤松さんが会いたがっていた川瀬さんと引き合わせることができて、よかった。 


 某日、浅草で内装仕事。昨日の検査が通らなかったので是正工事に入る。朝早めに出て、銀座線浅草駅の立ち食いそば「文殊」で冷やし天そば。守屋さんがオススメしてくれた店。蕎麦もしっかりしていて、手間かかっている。美味い!いいじゃないの。守屋さんは岩のり蕎麦が好きらしい。朝から引っ切りなしに動いて、昼上がり。下北沢の本多劇場で赤堀雅秋さん演出の『ケダモノ』を水澤さんと観劇。班長さん、塩田明彦監督、マッチポイントの根岸さん、夏帆さんなんかとも会う。荒川良々さんが抜群に良かった。終わって、赤堀さん、大森南朋さん、田中哲司さん、良々さん、新井郁さん、門脇麦さん、班長さん、水澤さんと本多前のおでん屋で飲む。3時から飲み始め、出ると夜だった。2軒目は赤堀さん、良々さん、班長さん、水澤さん、新井さんと久方ぶりに「コシャリ」。ビバリさんが元気そうで嬉しい。『鳥の名前』メンツだったのでだいぶはしゃぐ。終電ギリギリになってしまったが楽しい時間だった! 


 某日、朝、倅とカミさんと三番瀬海浜公園へ潮干狩りに行く。早朝出発予定だったが、自分が寝過ごし、最寄駅の二俣新町についたのが10時近くだった。昨夜の飲み会が深かった為で、道中、ずーっとカミさんに詰められる。ドスの効いた声でボソボソ呟く呪詛的お言葉は、ボディブローの如く我が身を削るのだ。おっかねえ!しかも雨が降り始めてしまった。雨具の用意がなく、カミさんと倅だけビニール傘を買って、アタシはずぶ濡れ。まあ、仕方ねえ。会場に着くと、ほとんどの家族が雨で帰るところ。熊手を借りて掘り出すが、もうほとんど取り尽くされていて全然ない。雨で寒いし、むむむだった。ここは開場前にアサリをまいているだろうし、やっぱり早く来ないと取れないんだよな。しかし倅が楽しんでやっていたのが救い。帰って昼寝。夜、DVDで『オデッセイ』と『超極道』観る。川瀬さんや佐野さんはもちろん、若い頃の真島さんや日向さんが出てきて、やってるな!と嬉しくなる。哀川翔さん主演の映画では『超極道』『蜘蛛の糸』『牛頭』等、名作が多いなあ。 


 某日、午前中、隣の久保田さんに誘われて、秋津公園のひょうたん池のドブさらい。倅と共に参加。たも網で落ち葉やヘドロをすくうと、チビザリガニやドジョウがいて、倅が助けていた。午後、倅の療育へ。担当の花岡先生は若くて可愛いのだ。倅はわざと甘えて「眠い」とか「かったるい」とか言ってダルがる。授業終わりに「お前、花岡先生が好きだからそういう事言うんだろ?」と聞くと「ちげえよー」と恥ずかしがっていた。うん、わかるよその感じ。夜、下北沢に行き、オフオフシアターでプッシー佐藤が出演する「素人集団禅裸」の『ミュージカル ロボコップ』観る。武蔵美のプロレス研究会のアントーニオさんやプッシーが無責任に芝居をしていてよかったなあ。最後の歌でよくわからん感動をした。「古書ビビビ」で乙羽信子著『どろんこ半生記』、幸田清著『活動屋人生こぼれ噺』を購入。その後、「風流四季」で岩谷さんとごーいちと飲む。偶然山下さんとプロデューサーの小川さんもいた。風流四季も久しぶりだったのだが、マスターが『岬の兄妹』のチラシを張っていてくれて褒めてくれた。ありがたい。岩谷さんとごーいちに、縦横論、深海魚論の話を叩き込む。終電を逃して伸也に府中まで迎えに来てもらった。アタシャ、皆に迷惑をかけながら生きているのだ。サンキュー!